【危険】エステや自分で黒子を取るのはやめましょう❗

スキンケア

ホクロ除去は、必ず医療機関で治療を受けてください

ホクロ占いに影響されてほくろを取る人もいるようで、以前「ホクロ占いを参考にして、ホクロをとったらどうなるか」なんて記事を書きました。

五本木クリニックは、レーザーを多数所有していますが、実は簡単そうにみえるホクロ取りは難しいの治療なのです。ところが、どうも今でもエステではこっそりとホクロと取る施術が行われているようで、一体どんな方法でどんなやり方でやったのよ、って感じの悲惨な状態で当院に駆け込んでくる患者さんは少なくありません。

エステではどんな方法でホクロを取っているのか気になって調べてみた結果

こんな報道資料が見つかりました。

これは2009年に国民生活センターの資料です。かなり古いものと思われるのですが、どうも水面下では

今でも悪質なエステではホクロ取りを行なっている模様

https://www.marionnette-esthe.com/

シミ・ホクロ取り専門サロンとサイトには書かれていますが、どうみても医療機関では無いですよね。今でもこのエステサロンではホクロやシミを取ることをウリにしています。

エステでホクロを取ってこんな健康被害が報告されています

私たち医療機関でホクロを取るとなると、切る手術とレーザー治療くらいしか思い浮かびません。なかには液体窒素によってホクロを取ろうと試みる医師もいることには居ますが、必要ない皮膚にダメージを与えて色素沈着の原因になりますし、かなりの痛みを伴います。

エステで手術は当然違法、レーザーも違法、液体窒素も違法ですからどんな方法をエステはホクロ取りに用いているのでしょうか?前掲の国民生活センターの報告によると「オゾン」という方法が例として挙げられています。

次にレーザー、これは明らかに医師法違反例ですね。

これは2008年の事例ですので、つい10年前はエステってこんな無法地帯だったことがわかります。エステ業界もこんなことではダメとの真面目な方も多数いらっしゃいますので、こんな乱暴なことはまともなエステでは行われていないはずです。

その次はホクロ取りクリームを使った被害。

多分、イボコロリ的なクリームを使用したのでしょう。

シミ・ホクロ取り専門のエステでは果たしてどんな方法を採用しているのか

私はエステを民間資格だから、民間療法だからといって全否定する立場は取っていません。医療機関の美肌治療は「はい、シミが取れましたね。一週間後に再診を」って感じで、治せばOK的な所も多いようで、エステのようなリラックス空間とはそもそも目的が違った施設である、と考えています。先ほど例として挙げたエステのホクロ取りを詳細に説明しているはずのページには

詳細はカウンセリング時にてご説明いたします。

って書かれています。

なんじゃ、詳細は実際にこのエステに行かないと判明しないってことらしい

ビフォーアフター画像で見る限りは明らかにホクロが取れています。画像がフォトなんとかで加工されていないとの前提で考えると、盛り上がったホクロも平らなホクロも(この平らなホクロ取りって医療機関でも難易度が高い場合があります)綺麗に取れちゃっている⋯なんでだ、どんな治療方法でホクロを取っているんだ、と非常に興味津々になってしまいました。

ちなみにエステでのホクロ取りに関して国民生活センターはこのように述べています。

事業者への要望 レーザーや薬剤、針でホクロを取る行為や、ホクロに限らず皮膚を焼いたりはがしたり、針を刺すという行為は医師法に抵触するおそれがある。医師の資格を有していない者が、皮膚に傷をつける可能性のあるホクロ取りの施術を行わないこと。また、ホクロを自分で取ることも危険である。個人輸入代行業者をはじめとした事業者は、クリーム類や民間療法的な方法で簡単に取れるというような広告をしないこと。

レーザーは使えないし、薬剤も使えないし、針を刺すこともダメだし、このエステにお伺いすると詳細はカウンセリング時にしか教えてもらえないようだし⋯。

ホクロと思って悪性黒色腫を取ってしまうと最悪❗

一見ホクロのように見えても、それが悪性つまりガンである可能性もあります。ホクロかなあ、と思っても実際はメラノーマ(悪性黒色腫)であるとすると

これはガンですから下手にいじくりまわすと転移してしまう可能性もありますし、エステでホクロを取ってスッキリしてもメラノーマはガンですから、知らず知らずのうちに他の臓器へ拡散している場合も考えられます。

そこで私たち医療機関ではダーモスコピー検査を行なってからホクロの治療に入ります。さらに取ったホクロの一部を病理検査に提出して悪性の細胞がひょっとして万が一混じり込んでいないかを調べます。

ダーモスコピーを何かのきっかけでたまたまエステに用意されていたとしても、悪性黒色腫か単なるホクロかの見分けをつけること自体が医師法違反です。診断は医師だけに許された行為であり、看護師さんでも診断を下すことは医師法に抵触します。

日本皮膚科学会サイトより

これがダーモスコープです。

悪性黒色腫の5年生存率は思ったより低いですよね。たかがホクロと思って医療機関以外で安易なホクロ取りをしてしまうと、それが悪性黒色腫だとしたら5年後に生きている可能性は70パーセント程度になってしまいます(もちろん病期にも生存率は左右されます)。

しかし気になるなあ、詳細はカウンセリング時にてご説明いたします、という文言。ネット上で治療?の詳細を書いた方が対応時間・説明時間に費やす時間の節約になると思うんだけど。ひょっとして、こっそりと危なっかしい方法を採用していないことを切に祈ります。

桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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