HIFU(ハイフ)とは、High Intensity Focused Ultrasoundの略で、日本語にすると高密度焦点式超音波といいます。HIFU治療(医療ハイフ)は、超音波で皮下やSMAS筋膜に熱損傷を与え、創傷治癒過程でコラーゲンが増成されることで、たるみを引き上げる効果が期待できる治療方法です。切らずにリフトアップできることから美容クリニックで広く普及している治療法です。
HIFU治療で使う超音波機器の名称が施術名になっており代表的なのが「ウルセラ」「ウルトラフォーマー」「ウルトラセル」等です。
当院が2023年に新たに導入したのがULTRAcel【zíː】(ウルトラセルジィー)です。多くのクリニックに導入されているウルトラセルQ+の進化版で、ウルトラセルシリーズの最新機種になります。ULTRAcel【zíː】(ウルトラセルジィー)は東京都目黒区では当院含め、まだ2台しかございません(2023年4月1日現在)。
ウルトラセルZiのウルトラセルQ+から進化したポイント
ウルトラセルzíː | ウルトラセルQ+ | |
発売年 | 2022 | 2018 |
照射時間 | 20分程度 | 30分程度 |
照射深度 単位:mm | 1.5・2.0・2.5・3.0・3.5・4.0・4.5・5.0・5.5・6.0 | 1.5・2.0・3.0・4.5 |
痛み | 軽度 | 軽度 |
ダウンタイム | ほぼなし | ほぼなし |
ウルトラセルジィーは往復照射できるよう進化したことで、照射時間の短縮を実現。さらに照射できる深さが最大6.0mmになっただけでなく、0.5mm刻みで細やかな調整が可能になりました。そして、このウルトラセルジィーの機能を活かすのがエコー検査です。事前にエコー検査することで照射する深さを個々の状態・部位ごとに適切に合わせることができるので、安全性と効果を両立させる施術を行えるのです。

ウルトラフォーマーIIIからウルトラセルZiに入れ替えた理由
ウルトラフォーマーIIIは、照射できる深さが2mm、3.0mm、4.5mm、6mmと4種類でした。ウルトラセルZiは1.5mm〜6.0mmまでと深さの幅が広がり、さらに0.5mm刻みで調整できるため、患者さんの状態に合わせた細やかな施術が可能になりました。
ダウンタイムがほとんどない
医療HIFU(ハイフ)治療が人気の理由として挙げられるのがダウンタイムがほぼないという特徴です。ウルトラセルジィーも、皮膚の深い層SMAS筋膜へのアプローチがピンポイントで行えるため、肌の表面は傷つかず、肌の内側も照射ポイントの周囲には正常な組織が残る、その正常な組織の働きで代謝が促進されるからダウンタイムが短いとされています。ここで大切なのはピンポイントで照射できていることが前提という点です。0.5mm刻みで細かく調整できる機能があるとはいえ、その照射ポイントの位置を正確に把握できて初めて効果があると言えます。ですので、当院の医療HIFU(ハイフ)治療は施術前にエコー検査を行うのです。
ハイフって安全なの?
手術・注射・糸リフトといった施術せずとも効果が実感できるHIFU(ハイフ)ですが、効果がある分取り扱いには細心の注意が必要な医療機器です。医療機器ですから施術は医療機関に限定されるべきものです。ですが、現在の法律では一般的な美容系のお店やセルフ型の店舗でも体験できてしまうのです。結果として美容に興味ある人にHIFUの存在は浸透したもののハイフという名前だけが一人歩きしてしまい結果として当然のことですが事故が多発し、顔の神経障害、目の障害などの深刻なトラブルも報告されています。(参考:テレ朝ニュース「HIFUの事故増加で再発防止策を提言」)

五本木クリニックは、美容専門のクリニックではなく一般診療も行っているクリニックです。一般診療で使用する超音波(エコー)検査を美容診療にも取り入れています。神経損傷などのトラブルを回避するために事前に超音波検査機で顔の筋肉や筋膜の状態を把握することで、ハイフ施術をより安全に行うよう万全を期しています。
なぜ同じ施術なのに値段に差があるの?
ハイフ機器を使用するという点では、エステでもクリニックでも同じです。先に申し上げた通り、顔の構造を理解・把握している人でないとHIFU機器の使用は危険です。ですから最低でも医療機関で受けるべきです。ですが医師でも、解剖学的知見に差はなくても技術力がなければ、どんなに良い医療機器でも効果は期待できません。値段の差は、クリニックの立地にもよるでしょうが、技術力の差が大きいでしょう。ここでいう技術力というのはできる限り施術を受ける人すべてに一定以上の効果をきちんと出す力のこと。例えば、あなたが受けたクリニックが安い上に効果もバッチリなら良いのですが、果たしてそれが他の人にも当てはまるかどうか?それはわかりませんよね。私たちひとり1人の体は違いますし感じ方も人それぞれです。ですから当院は、施術前にエコー検査で、顔の状態を把握します。これは安全に施術を行うためですが、個々の顔立ちに合わせて適切なデザインをして照射するためでもあります。逆に言えば、エコー検査しない限り、顔の状態を正確に把握することは無理です。手術する時に、検査たくさんしますよね?それと同じです。美容医療は、あくまで医療、やるべきことは手を抜かずにきちんとやる、それが当院の方針です。