美容医療用語でセルライト(cellulite)と呼んでいる状態があります。女性が特に気にする太ももやお尻にかけての肌のゴツゴツがセルライトです。
セルライトは標準医学的なアプローチでは明確な定義は定められてはいなくとも、実際に肌のゴツゴツ状態を気にする方は少なくありません。いままで様々な方法でセルライト除去が試みられてきました。エステでは不可能である「セルトーン(CELLUTONE)」と言う美容医療機器を使ったセルライト除去について解説します。
セルライトを衝撃波で除去するセルトーンというマシン
ある学会で久々にあった業者の方と、「体外衝撃波を使用して痩身は可能なんじゃないの?」とその学会とは全く無関係の話題で盛り上がりました。体外衝撃波を使った痩身関連の医療機器はたぶんドイツかイスラエルにあるんじゃないのか、との結論に至って、「じゃあ、探してみてよ」と業者さんに依頼したのが10年くらい前だったかなあ⋯。その業者さんが見つけたのがセルライトを除去して痩身が可能な「スリムスペック」という医療機器で、当院が日本で最初に輸入しました。
セルライト除去といえば五本木クリニック、って感じで元々は地域密着型の美容クリニックであった当院がメジャーデビューしたきっかけになったのですが、諸事情によりスリムスペックは現在では廃棄処分になってしまっています。次世代型のセルライト除去マシーンを探しに探して、やっとたどり着いたのが英国のBTLという医療機器メーカーが作っている「セルトーン(CELLUTONE)」です。
スリムスペックと比較してもっとも違う点は体外衝撃波を繰り出すスピードがアップしていることです。スピーディに気になるセルライト問題を解決してくれますね。
※しつこいですが、セルライト(cellulite)は公式に認められている医学用語ではありません。しかし、美容医療やエステでセルライトは当たり前のように使われている用語であり、海外の論文でもcelluliteは使用されていて以前より多数のセルライト治療関連論文もでています。実際にセルライトと呼ばれる状態があり一般の方に伝わりやすいように、これからも「セルライト」という言葉を使用します。
こんなブログも以前書いたっけ。
セルトーンのセルライト除去の仕組みは、泌尿器の病気の治療では標準医療です
体外衝撃波は泌尿器の病気である腎結石などの尿路結石の治療では標準医療です。セルトーンの仕組みである体外衝撃波による結石治療は体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy、略してESWL)と呼ばれています。この治療機器はドイツのシーメンス社やドルニエ社やイスラエルのダイレックス社やフランスのエダップ社やスイスのストルツ社が開発販売しているので、体外衝撃波を使ったセルライト除去マシーンもドイツかイスラエルを探せばあるんじゃないかと私は考えた次第です。
イスラエル製のスリムスペックはそれなりに日本全国で採用され医療機関でセルライト除去が一般的になる切っ掛けになったのですが⋯代理店の大人の事情でメインテナンスが不可能になったため、多くの患者さんに惜しまれながら当院としては倉庫にしまい込むしか選択の余地はなかったのです。
そんなこんなのセルライト除去ですが、すでにいくつかの医療機関で採用されているセルトーンを私の独断で買っちまいました。ということは、セルトーンによるセルライト除去治療が当院的にヒット施術になるのか否かは私の全責任となってしまうため、焦って皆様、特に当院で過去にスリムスペック治療を受けた方に知っていただきたいためブログを書いている次第です。
おまけ:医師になってすぐにシーメンスのESWLによる結石破砕担当になっちまった私は関連病院からの紹介患者さんの治療でそれこそ朝から夜までESWLにつきっきりでした。いまだったら明らかにブラック認定。
セルトーンの仕組みを簡単に解説します
まず体外衝撃波とはなんぞや、を説明します。体外衝撃波はそもそも都市伝説には、昔々ナチス・ドイツが潜水艦を攻撃するために開発した技術といわれています。だから兵器産業が盛んなドイツとかイスラエル・フランスがその技術を持ち合わせているとの話もあります。衝撃波は水は通過して硬い部分に当たった瞬間にエネルギーを放出する特長を生かした技術が私が専門としている泌尿器科領域で使用される体外衝撃波結石破砕術です。
体外衝撃波は現在は整形外科領域では足底腱膜炎やテニス肘の治療にも使用されており、一部の泌尿器科ではEDの治療にも使用されていますので安全性に関してはご心配は無用と判断します。
体外衝撃波を使用したセルライト除去マシーンであるセルトーンの効果はあくまでメーカーの資料によると
- セルライト除去(これはFDAで承認されている)
- 老化した皮膚の引き締め
- 脂肪吸引後の皮膚の凸凹の改善
- ストレッチマークの改善
- 傷跡の凸凹改善
と、なっています(リンパを流す的なことも書かれているけど、それはちょっと流石にエビデンスが弱すぎる感があります)。
五本木クリニックとしては、セルライト除去以外の目的への使用は現時点では行わない予定です。理由として、セルトーンプロジェクトは私が管理することになっているからこれ以上仕事を増やしたくないよ、って我儘だけどね。
セルライト除去の効果をさらに高める秘密があります
セルトーンの効果として、皮膚の引き締めをメーカーや導入した医療機関は伝えているけど、これに関してはスリムスペックで経験を積み上げた当院としては疑問点が残ります。これは急激にダイエットをした方の多くが、皮膚がたるんだ、とおっしゃることと同じで、脂肪にしろセルライトにしろ、それを収納していた皮膚としては中身が消え去ったらたるんでしまうことが多いからです。
セルトーンを販売する業者にしろ、医療機関にしろ、セルライトを除去しても皮膚の引き締め効果によって、皮膚がたるむことはありません、と主張したいのだと思います。当院のミッションとして、「たるみ改善」があり、それなりの評価をいただきつつもさらなる改善・進化への努力を常に行っています(これは私じゃなくて、美容担当医マターだよ)。
スリムスペックによるセルライト除去治療の経験とたるみ治療を複合させて、セルトーンだけでは無理なボディーメイキングを密かに行なっています。もちろんセルトーン治療単独もOKですし、複合治療が気になるのであればメールにてご相談くださいませ。
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