脂肪を落とすなら、まずはセルライトを無くすことからスタートを❗

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脂肪を減らすのはセルライトを無くすことから始めるべき

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美容医療ではセルライト(cellulite)と呼ばれる状態があります。このセルライト、いままでは医学用語では無いと扱っていたのですが、ここ数年で女性を悩ませるセルライトに関する医学論文が多数でてきています。

セルライトがなぜ出来てしまうのか、セルライトの重症度の判定方法、そしてセルライトを無くす治療方法などに関して最新の情報をお伝えします。

そもそもセルライトとはどの様な状態なのか?

美容医療業界でセルライトと呼ばれる状態があります。セルライトは特に女性が気にする美的なものであり、病気とは解釈されていません。明らかに誰が見てもセルライトはあるのですが、セルライトがある部位を解剖してもセルライトと思われる組織学的な状態は把握されていませんでした。

定義が明確ではない不思議な存在のセルライトですが、ここ数年医学論文で取り上げられることが多くなってきました。

セルライトとはこのような状態を指します。

https://www.leboskincare.com/cellulite/

太ももやお尻にかけて、特に女性に見られる脂肪組織が線維化することによって皮膚に凸凹ができた状態をセルライトと呼んでいます。このセルライトは肥満していなくても生じるために気にしている女性はかなり多いです。いくつかの論文(Treatment for celluliteなど)によると、思春期以降の女性の80〜90%に見られる審美的な問題であり、なぜセルライトができてしまうのかについての深い考察はなされていませんでした。

現時点でセルライトの原因は明確になっていないのですが、脂肪組織を取り巻く組織の線維化によって脂肪が塊って見える状態、あるいは脂肪細胞間の間質性の浮腫状態と考えられています。

美容系記事などでセルライトの説明として、「皮下脂肪が老廃物や水分をとりこんで皮下脂肪が塊となったもの」とかが多いのですが、そうなると、「そもそも、その老廃物って何よ?」的な疑問をいだいてしまう私としてはセルライトに関して、科学的医学的アプローチをすることは避けてきました。

明らかにセルライトと呼ばれる状態はあるのに、医学的な定義や組織像が明確ではない上に、病状の分類さえできていなかったのですから、エビデンスに基づいた美容医療を目指す当院としては非常に扱いにくい分野でもあったのです。

美容系医療のエビデンス、特に効果に対するエビデンスの提示って考えてみればかなり難問です。だって、一重まぶたの人を二重まぶたにする治療を行った場合は症例写真を提示するしか無いもんね。

セルライトの重症度はこれが基準です

病状を明確に定義することが出来ないとベストな治療ができないのは当然。セルライトの場合、審美的な観点が問題となっているために、病期というか病状を上手く表す方法がいままではありませんでした(そりゃそうだよね、セルライトって医療というよりエステの守備範囲だったからね)。

ところがどっこい、セルライトの重症度を判定する「Cellulite severity scale」なるものがあるんです❗

Journal of the American Academy of Dermatologyなどによれば、以下のように分類されています。

グレード0立っていても、皮膚をつまんでみてもセルライトが無い状態
グレード1立っている状態ではセルライトは無いけど、つまんでみたり、太ももやお尻の筋肉が収縮するとセルライトが出てくる状態
グレード2立っている状態だとセルライトが目立つけど、寝た状態だとセルライトがなくなってしまう状態
グレード3立っていても寝た状態であっても、セルライトが目立ってしまう状態

セルライトが気になる人は当然グレード1〜3ということになりますね。

私が気になっていた疑問の1つがそもそもセルライトはどのような組織学的な状態であるのかだったけど、その疑問もそれなりの医学論文の非常に単純な説明でスッキリしました。

「Improvement in Skin Elasticity in the Treatment of Cellulite and Connective Tissue Weakness by Means of Extracorporeal Pulse Activation Therapy」(PMID: 19083577)によれば、男性の皮膚の繊維の構造と女性の皮膚の構造には上の図のように少し違いがあり、女性の脂肪細胞は210〜220億個なのに男性の場合は170〜180億個であること。さらに女性の場合は妊娠中に溜められた脂肪細胞をその後も維持するために女性、特に妊娠後の女性にセルライトができやすいと説明しています(これはあくまで一つの考え方であり、広く認知されたものでは無いけどね)。

セルライトを無くす治療方法はこれ❗

以前、当院というか私が日本で最初に海外から仕入れたセルライト治療機でスリムスペックというものがありました。

でも、このスリムスペックを取り扱っている業者さんが大人の事情と言うか、社長が高齢になって現在ではメインテナンスが不可能となったので、当院としては破棄してしまっています。

いまだに「スリムスペックの予約をお願いします」って問い合わせが時々あるし、古くから通院している患者さんに、「そういえばスリムスペックってどうなったの」とのご質問を頂くことが少なくありませんでした。そこで探しに探してスリムスペックより高性能のセルライト除去マシーンを見つけました。それがセルトーンという医療機器です。

このセルトーンに関してのメーカー提供の論文はあまりにもヨイショなので、ご紹介は控えますです(笑)。

セルトーンのメカニズムはスリムスペック同様の「extracorporeal shock wave lithotripsy(略してESWL)」を応用した「extracorporeal shock wave therapy (略してESWT)」であり、ESWTの効果に関してはセルライトへの効果検証を行ったコホート研究ではエビデンスレベル3と述べている論文もあります(PMID: 26209782)。

セルライトを治療するとこんな感じになります

美容医療のエビデンスを提示することは難易度が高いと先ほど述べました。セルライトを無くす治療に関しては症例写真を提示するしかありません。これは海外の症例ですが、こんな感じでスッキリとセルライトは無くなっています

セルトーン販売会社の海外サイトより

日本で入手できるセルトーンの場合、RF (高周波による皮膚のたるみ治療)とよばれる機能が付いていません(日本向けにはどんなにネゴっても販売しないんだってさ)。セルトーンだけでもセルライト治療は可能ですが、当院としてはさらに効果を高めるためにRFやほかの治療方法をトッピングしたセルライト除去治療も行っていく予定です。

桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ(医師)への相談窓口

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