人はどの様な点に注目して、他人の加齢を感じ取っているのでしょうか?まず、シミやシワは老化を示すサインであることはブログでも何回か述べてきました。皮膚の見た目にまず、注目して判断をしているのですが、綺麗な皮膚を保っていても加齢をしめすサインがあります。
それは「たるみ」です。特に顔の弛みは重力の作用によって下に垂れ下がることによって生じます。
皮膚全層に対する支持基盤であるコラーゲンやエラスチンの減少、更には表面が紫外線によってダメージを受けることによって重力の作用に抵抗できないために生じるものなのです。
そのようなことが起こらないように日々の注意とメインテナンスが必要であることは、皆様にすこしづつ伝えてきましたのでご理解頂けていると思います。
一発で顔のたるみを解決する手段はあるか?
皮膚の弛みを取る治療はレーザーを使用したり、高周波を利用したものが安全性の面と治療後のダウンタイムを考えるともっとも患者さんサイドが選択しやすいものであり、当方からもお勧めしやすい方法と言えます。
しかし、これらの方法は繰り返し治療することが必要であり、ドラスティックな変化は起こせません。人から見て明らかになにがしらの治療をしたと認識できない点では優位な治療法ですが、治療効果に個人差が表れやすいものでもあります。
他には切ることなしに糸を埋め込んでたるんだ皮膚を引き上げる方法も選択肢としては挙げやすい治療法です。
しかし、かなり弛んでしまった顔面の引き上げには切って治療する「フェイスリフト」が一番効果的で患者さんの期待を裏切らない治療です。
欧米人の場合、骨格の関係もあり東洋人より切るフェイスリフトを希望するようです。
実際にフェイスリフト手術をすると、どれだけの変化がおこるか?
今回は当院の症例をご紹介します。この方は全体的に頬、フェイスラインの弛みが気になり、更ににきび跡を皮膚を引っ張り上げることにより改善を希望した40代の男性です。
当院としても年齢が若いのでレーザーやハッピーリフト等の切らない治療をお勧めしましたが、今まで彼を悩ましていたニキビ跡と新規事業が軌道にのって老けた疲れた印象を取引先に感じられたくないという強い希望があったため「切るフェイスリフト」を行いました。
術式は切るフェイスリフトのゴールデンスタンダードであるSMAS法を行いました。
手術はこんな感じで行います。
つまり余分な皮膚と取り除き、さらに筋膜を剥離して引き上げる方法です。傷跡は耳介と髪の毛の中に出来ますが、耳介の手術あとはなんと数ヶ月で全く目立たなくなるのです。頭部の傷も髪の毛に隠れますので、手術跡は気にする必要はありません。残念ながら数日はテープで顔を覆う必要がありますので、日常生活を送るのには数日は必要となります。
どんな方が積極的にこの手術を望まれる?
実は希望者は案外多いのです。当院の松下医師は京都大学の形成外科で修業を積んだ時、メチャクチャな数の耳介の手術をこなしていました。
残念な話なのですが、耳の形が正常でなく生まれてくる赤ちゃんの数は皆様が想像するものを遥かに上回るのです。
京都大学の形成外科はそのような方の耳の形を再生することを得意としており、関西全体の耳介形成術を担っていました。
修業時代の苦労が今、当院で美容的にフェイスリフトを望む方の治療に反映させることができ、フェイスリフトの難関である耳介周辺の傷跡が残らない治療技術は日本でも誇れる実績があります。その様な情報を得た患者さんがどういうわけか関西方面より東京に位置する当院でフェイスリフト手術にいらして下さるのです。
今回は男性でも治療していますよ、という意味合いであえて男性の症例を提示しました。決して、お気軽にどうぞ、という手術ではございません。今まで切らない治療を繰り返し行ってきたけど、半永久的に顔の弛みを改善したいという方向けの治療とお考えくださいませ。
当院は美容皮膚科はもちろん都内でも高いレベルを誇っていると自負しておりますが、いざとなったら外科的な治療も十分可能であることをお知らせしたかったのです。