【脂肪溶解注射】チンセラプラスの特徴と効果について

輪郭整形

脂肪溶解注射チンセラプラスの効果

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注射をすることによって気になる部分の脂肪をなくす方法として脂肪溶解注射という方法があります。

脂肪溶解注射によって溶かされた脂肪細胞は人体にそなわった機能によって自然と体外に排出され部分痩せには気軽に美容クリニックで使われていました。ところがその脂肪溶解注射って注射した部分が腫れたり痛かったりすることが少なくないので、お腹にたっぷり付いてしまった贅肉を減少させる治療には適していませんでした。

最近チンセラプラスなる脂肪溶解が人気で、数周遅れで当院でも採用しました。いままで消極的だった脂肪溶解注射、なぜ当院で採用したのか、その理由をお伝えします。

CINCELAR+(チンセラプラス)効果って何?

チンセラプラスってCINCELARにプラスが付いた商品名、ってことは以前はプラスがつかない単独でチンセラという脂肪溶解注射があったのかに関しては不明(チンセラを取り扱っている会社の担当者が夏休みなので今度尋ねてみますね)。

そもそも脂肪溶解注射って何?

脂肪溶解注射とはデオキシコール酸(Deoxycholic acid)が主成分となっているものがほとんどです。処方薬だと「ウルソ」の名前でしられています。主成分のウルソデオキシコール酸で、肝臓の疾患や消化不良あるいはコレステロール系胆石の溶解目的で使用されています。

このデオキシコール酸はFDAでも脂肪を溶解する効果が認められているもので、脂肪を溶かすメカニズムはデオキシコール酸によって脂肪細胞の細胞膜を破壊し漏れ出た脂肪は自然と吸収されて(ここの仕組みを説明するのは省略)体外に排出されることが確認されています。

デオキシコール酸は肝臓から分泌される胆汁の成分が腸内細菌が代謝することによって作られる脂肪の消化吸収をサポートするものであり、人体にもともと備わっている物質です。

デオキシコール酸を主成分として脂肪溶解注射と呼ばれるものはいままでも多数あったのですが、注射すると痛いのが欠点。注射した時の痛みの原因の1つとして脂肪溶解注射液自体のPHに問題があると考えられていました。

チンセラプラスの大きな特徴はPHが7であるために痛みが少ないのが特徴です❗

まあ、注射をする時の針が刺さる時の痛みはあるけどね(苦笑)、その辺りは名言「no pain,no gain」とご理解くださいませ。

チンセラプラスって本当に脂肪を溶かせるの?

チンセラプラスの主成分であるデオキシコール酸の脂肪溶解効果つまり有効性に関しては「Assessing the Efficacy of Deoxycholic Acid for the Treatment of Submental Fat: A Three-Dimensional Study」(PMID: 30272141)や「The Use of Deoxycholic Acid for the Clinical Reduction of Excess Submental Fat in Indian Patients」(PMID: 30909331)などの多数の医学論文によって示されているので、

チンセラプラスによる脂肪溶解は効果はあり❗

と考えていただき、症例写真等に関しては他の美容クリニックのウェブサイトやインスタなどをご参照くださいませ(笑)。

脂肪溶解注射の効果を表した図
出典:Mechanism of action of deoxycholic acid(https://www.researchgate.net/figure/Mechanism-of-action-of-deoxycholic-acid-Image-adopted-from-Ref-5_fig1_327265146)

脂肪溶解注射が効果をあらわすイメージ図です。

そもそもチンセラプラスって安全なの?

小さな領域、たとえば顎下とか頬に関しての安全性は担保されていると考えて間違いは無いのですが、大量に使用した場合の安全性には疑問点があります。

いくら安全であっても効果がなければ存在価値がありません!

そこでチンセラプラスの脂肪溶解効果を発揮する成分であるデオキシコール酸を使った医学論文をいくつか探した結果として、リスクと効果について調べてみました。

例えば「Safety and Efficacy of Deoxycholic Acid Injection for Hypogastric Fat Reduction: A Pilot Study」(PMID: 33795572)ではお腹の脂肪を減少させるためにデオキシコール酸を使った研究結果が報告されています。

結果的には

  • 局所の浮腫・・・そりゃそうだよね、注射して脂肪細胞の壁を溶かすんだから
  • 皮下出血・・・本文では「bruising」と書かれているけど、これはどう見ても皮下出血、それも当たり前だよね、注射するんだから
  • 赤み・・・炎症が起こることによって当然の結果として現れます

脂肪溶解注射の量が増えれば増えるほど、赤みは出るようですが、浮腫や皮下出血に関しては脂肪溶解注射の量とは比例関係には無かったとのことです。

最終的な結論としては当然のことと予想されるダウンタイムはあるけど、脂肪溶解注射を受けた患者さんの満足度は有意に改善しています。

さらに下腹部の脂肪の厚さを減少させるための治療方法としてデオキシコール酸は安全と考えられる、ともこの医学論文には書かれています。

チンセラプラスのさらなる特長

デオキシコール酸を主成分とする脂肪溶解注射の安全性と効果に関してはある程度のエビデンスがあると考えて話をすすめます。今回当院で採用してぼちぼち使用しているチンセラプラスはPHを7にして痛みを減少させるだけではなく、浸透圧も痛みを減少させる目的で調整されています。

基本的には顔周りの脂肪、特に顎下や頬の脂肪を減少させることを目的として当院では使用していますが、若干名気になるお腹の脂肪にチャレンジした方もいると美容部から報告を受けています。

チンセラプラス、これ患者さんのほうれい線を目立たなくさせる効果を出すための手技もありますのでぜひ担当医にご相談下さいませ。

五本木クリニックの脂肪溶解注射
桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

桑満おさむ(医師)への相談窓口

0120-70-5929

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