上瞼が垂れ下がってきたり、下瞼が弛んでいるの症状は老けた印象や疲れた印象を与えてしまい気にする人は非常に気になる症状です。
これらの症状を改善したいけど、なるべく切る治療は避けたいと考える方も多いことは重々承知しています。
当院の美容外科医の目の周りの手術を行う上でのこだわりなどをお伝えします。
完璧な手術は単なる自己満足なのかも?
泌尿器科医になって数年経った時点でさまざまな事情から、赴任先の基幹病院で経験年数的には早すぎると思われる大きな手術の第一執刀者を任されるようになりました。手術を行った日は何かトラブルがあってはいけないと考え、毎回自主的に当直していたことも懐かしい思い出です。
今でも時々泌尿器の小手術を行っていますが、翌日に何か緊急の連絡が無いかとドキドキしますし、「あの場合はあそこをこうやっておけばよかったかも」とその晩に考えることも少なくはありません。
美容外科手術の多くは日帰り手術であり、手術を担当する医師はその日の手術に関して手術後にドキドキすることはないのかを聞いてみたところ、当院を手伝ってくれてい美容外科医の場合も、完璧に手術がうまくいったとしてもやはりドキドキはするとの返答でした。
完璧な手術と言っても、それでは自己満足の世界から抜け出すことはできないでしょうし、次回はあの場面ではこのように対処しようと考えていくこと、つまり自省を含めて振り返ることがその医師の技術の進化に役立っていることは間違いないと確信しました。
なぜならば患者さんの要望そして、容貌は多種多様であり同じ顔をしている人はいませんし、非常に似通った顔貌であっても生活様式や社会的背景が違っているのですから、ロボットによる大量生産システムのように規格通りにおこなうことは美容外科手術だけではなく、医療にとっては重要なポイントになるのだと考えられます。
手術前に目の周りだけではなく顔全体の表情を慎重に視診する必要性
上瞼のたるみを手術するにしても、下瞼のたるみを手術するにしても当院の美容外科医は患者さんをじっくり観察し、さまざまな表情、一見目の動きとは全く関係ない動作を患者さんに要求しています。
当院美容外科担当の中川剛医師にその件を尋ねたところ、
「下瞼って動いていないと多くの人は考えているけど、下の方を見るときは下瞼も下がっている」
と日常では気がつかない人の表情の微細な動きに関して、美容外科医としてのこだわりの1つを知ることができました。
中川医師に「今でも手術をした日はドキドキしますか?」と尋ねたところ、「それはいまだにしますよ〜!!」とのことでした。年末にどうしても手術をしたいとの希望する患者さんがいました。当院としては年末は休診なので術後の観察が十分にできないとお伝えしていましたが患者さんはどうしても年末しか休みが取れないとのこと。
中川医師はその患者さんにご家族が都内で開業しているので、術後のまんまん万が一のトラブル時の対応や抜糸はそちらで行うように提案していました。
日帰り手術であっても、トラブルが皆無とはいえません。多数の症例を経験していても自分が行った手術に対しては最後まで責任を持つ姿勢の中川医師に対して私は全面的な信頼を再確認できた一コマでした。
外勤先の手術であっても常勤している大病院で対応してくれる美容外科医
形成外科では定評のある杏林大学の偉い先生に相談してご紹介いただいたのが当院美容外科の海医師です。海医師が大学から派遣されて常勤している病院は都内でも有数の病院であり、日本美容外科の大家が上司という恵まれた環境で研鑽を積んだ医師です。
当院で診療を担当するにあたっては大家の先生も愛弟子をどこの馬の骨かもわからないクリニックに派遣するわけにはいかないと考えて、当院に対しての評判等を念入りに調査されていたようです。
海医師が得意とする眼瞼下垂、つまり上瞼の垂れ下がりに対する手術に関してのこだわりは、松下医師・中川医師と同じように上瞼だけではなく、顔全体の表情を十分に観察・視診して手術を行うことです。
眼瞼下垂はいくつかの条件をクリアすれば保険で治療できます。美容外科として手術を行うにあったっては、保険による手術はものが見える見えないとの目の機能を重視した治療であり、「見えるようになれば良い」治療をします。一方の美容外科としての眼瞼下垂のアプローチで重要なのは機能重視にプラスアルファとしての見た目を重視する点です。
海医師には以前愚問を投げかけたことがあります。形成外科医として美容外科手術をするときのこだわりについてです。海医師曰く、「保険診療では使えないような細い針を使う」「縫うときに黒い糸ではなく、透明の見えにくい抜糸の時には面倒ではある細い糸を使用する」など、機能はもちろんのこと見た目にも神経を使う」などです。
保険診療は見た目ではなく、まずは生命の維持を重要視し、次に機能を保つ・回復するさせることがポイントです。美容外科は保険が効かないために、患者さんにとって重要な手術中の痛みのコントロールの自由度も選択肢が増えます。
海医師にも中川医師と同じように、「手術後の夜にドキドキしませんか?」と質問しました。海医師の回答は「もちろんしますよ〜!」でした。
※当院美容部長の松下医師はベテラン中のベテランですが、患者さんには万が一の緊急連絡先として自分の携帯の番号を伝えています。
もう一つ、「なんで眼瞼下垂の手術なのに色々な表情を患者さんにしてもらうの?」ついでに「細かく縫えば上手な綺麗な手術なの?」との愚問を投げかけました。
目の周りは薄い皮膚で構成されています。色々な表情をしてもらう要因の一つは切開ライン、つまり切るラインが手術の仕上がりに大きく影響するからさまざまな表情を患者さんに作ってもらって自然にできるシワに沿った切開ラインを決めるとのことです。機能だけではなく、見た目を重要視する美容外科医としてのこだわりですね。細かく縫った手術は素人さんには綺麗な手術と受け止められるようですが、薄い皮膚で構成されている目の周りですから、細かく縫いすぎると抜糸後のひきつれ跡の原因にもなりかねません。患者さんが満足する手術を行う時は「木を見て森を見ず」ではダメなんですね。
海医師に関してはこんなことがありました。眼瞼下垂の手術後に目の違和感を覚えた患者さんがいました。海医師に連絡したところ、自分の常勤先を患者さんにお伝えしてすぐに来院してもらうようにとのこと。
万が一の場合には可能な限り自分が責任を持ってフォローできる心構えで当院の美容外科部門を担当してくれる海医師に対して地元密着型がウリの当院としては、私は全面的に信頼を寄せています。
やっぱり切って目のたるみを治してよかった。
個人的なことですが、長年に渡って上瞼のたるみと目の下のたるみが気になって気になって仕方がなかった私です。さまざまな切らない美容皮膚科的な治療・施術を繰り返してきたけど寄る年波には勝てないようで、昨年2021年に上瞼の垂れ下がりを治す手術を受けました。