「ヴェルベットスキン」という言葉が美容医療業界内で飛び交っています。ヴェルヴェットスキンだから「velvet skin」であろうと予測はつきます。ヴェルベットは日本語だと古い人はビロードと呼んでいる織物の1つです。ビロード自体がそもそもポルトガル語ですけどね。
ヴェルベット+スキン、光沢のある手触りの良い皮膚、ってことなんでしょう。
その光沢ある手触りのよい皮膚、ぜひ手に入れてみたいと思い、早速体験してきましたのでブログ記事にしました。
ヴェルベットスキンになるために、まずは検索・聞き取り調査
ヴェルベットスキンを英語にするとvelvet skin、これで検索したら
上記のようなコスメのサイトが出てきちゃいました。
私が求めている答えとは違うようです。
結局のところ、私の立ち位置は「What is ヴェルベットスキン?」レベル。
美容担当医師と美容スタッフに「ヴェルベットスキンって何?」と質問したところ、後述のような流れになってしまいました。
早い話、自分の体で体験しろや、ってことです。
このブログの後半は体験レポートになります。
その前にヴェルベットスキンとは何?の解説をしますね。
PRX-T33とダーマペン4を合わせて美肌を、これがベルベットスキン
「PRX-T33」とネーミング(なんか、物々しいw)された、ケミカルピーリングの基剤があります。
PRX-T33を使ってピーリングすることを、「マッサージピール」と呼んでいます。PRX-T33の成分やなぜマッサージピールと呼ぶかについてはあとで述べますね。
「ダーマペン4」とネーミングされた美肌治療器があります。ダーマペンがなぜ、「4」がプラスされているのかに関しては、あとで述べます。
- PRX-T33を使用して、ピーリングする = マッサージピール
- マッサージピール + ダーマペン4 = ヴェルベットスキン
これを単純化すれば
- PRX-T33ピーリング + ダーマペン4 = ヴェルベットスキン
との公式が導かれます(こんな説明しているから、女性心理がわからない、理屈っぽい院長との烙印を押されちゃう)。
ここまでの説明でよろしいでしょうか?どのような手順でヴェルベットスキンをゲットできるのか、次は画像を使いながら説明しますね。
ヴェルベットスキンになるための流れ
ジャジャーン。どこの誰かはわからない、怪しいオッサンがヴェルベットスキンを手に入れるためのモニターというか、ボランティアというか、実験台になるようです。
まずは、ダーマペン4を顔中に当てて行きます。ダーマペン4の針の長さは調整できますが、今回はかなり浅い層に細かい穴を開けるようにセッティングしてあります。
実際の施術では、ダーマペン4に感染予防としてカバーをつけます。
痛みは感じません。イメージとしてはナイロンタオルでゴシゴシ肌を磨いているような感じ。額は皮膚の下にすぐ骨があるためにゴリゴリ感がしました。ヴェルベットスキンを手に入れるためです、少々我慢を。
顔の皮膚が赤くなるような現象は見受けられますが、出血はありません。痛みに弱い人に対しては、塗る麻酔を使用することもありますが、この程度のゴリゴリ感であれば、麻酔の必要性は感じられませんでした。
ダーマペン4で細かい無数の穴が皮膚にあいているはずです。今思えば、ダーマペン4使用後に皮膚の穴を画像で残しておけば良かったかも。
ダーマペン4の施術直後にPRX-T33を皮膚に塗ります。
PRX-T33を塗るタイミングは、ダーマペン4の施術直後です。理由として、かなり小さな穴ですから時間をおくと、せっかく開けた穴が塞がってしまうからです。
穴が開いている、ある意味ではダメージを受けた肌の上にピーリング効果のあるPRX-T33を塗り込むのですから、当然ピリピリした刺激感はあります。
PRX-T33がマッサージピールと呼ばれるのは、こんな感じで顔をマッサージしながら塗り込むからなんですね。
はい、これでダーマペン4+PRX-T33を使用してのマッサージピール = ヴェルベットスキンの出来上がり❗です。
ヴェルベットスキン治療(?)はこのあとで洗顔して終了。
直後に自分の手で顔を触ってみると、確かにヴェルベット(※個人の感想ですw)。
翌日も赤みが残っています。女性の場合は、化粧で隠せます、と説明しています。
ダーマペン4の詳細
ダーマペン (dermapen) の「ダーマ」は皮膚を表す「derma」の日本語読みです。dermaを「デルマ」と医療業界では呼ぶことが多いのですが(皮膚科を意味するdermatologyをデルマと呼びます)、なぜかネーミングは「ダーマ」。
ダーマペン (dermapen) の「ペン」はこの医療機器の形状が「筆」に似ているからだと予想します。
この辺りの理屈っぽさも、私の反省点かもしれません。話を進めます。
ダーマペンは改良に改良が行われて、現在は4までになっています。
このダーマペン4は米国のFDAが肌の改善目的に使用されること承認したものであり、安全性と効果が確認されています。
16本の極細の針で構成されたチップ(これは毎回使い捨て)が一秒間に120回振動することのよって、肌に極小の穴を開け肌の再生を行うものです。針はステンレスですから、金属アレルギーと診断されている方でもOKのはずですが、注意書きには金属アレルギーの方は避けてください的な文言があることを付け加えておきますね。
ダーマペン4は針が皮膚に刺さる深さを0.1ミリ単位で調整することが可能になっていて、もっとも浅い位置だと0.2ミリ、もっとも深い位置だと3.0ミリに設定して施術することが可能になっています。ヴェルベットスキンの場合は0.3ミリで行います。
なお、深い位置まで針が到達するようにセッティングすると出血は逃れられません。
ダーマペン4の効果のメカニズムは、創傷治癒過程を利用したものです。肌に傷をつける(実際には極小の穴をあける)ことによって、肌の線維芽細胞を刺激して、コラーゲンやエラスチンなどの肌の張りを維持する成分の産生を促進します。それによって
- 小ジワの改善
- 毛穴の開きの改善
- ニキビ跡や傷跡の改善
- 張りのある肌への改善
などの効果が期待されています。
せっかく細かい穴が開いているのですから、そこから肌に良い成分を浸透させたらどうなるか、と当然の流れとして考案されたのが、ダーマペン4になんらかの成分をトッピングした美肌治療です。
そのトッピングする素材として注目を集めているのPRX-T33、ということになっています。
ある美容クリニックからの内部告発的な情報として、ダーマペン4のチップを使いまわしているところがあるようです。そのような話が美容医療に対してアンテナの高い方々の間を駆け巡っている可能性があるため当院ではチップを患者さんの目の前で開封します。
PRX-T33の成分と期待できる効果・効能
PRX-T33という、物々しいネーミングがどのような経緯によって付けられたのかの詳細は不明です。ヴェルベットスキンを実現するために欠かせないPRX-T33は次のような成分で構成されています。
- トリクロロ酢酸(Trichloroacetic acid 略してTCAと呼ぶことが多いです)。
- 過酸化水素(Hydrogen peroxide、H2O2と化学式だと表記します)。
- コウジ酸(Kojic acid 日本酒を作るときの麹が由来)
TCAを使用したケミカルピーリングは古典的なものでしたが、ピーリング後の色素沈着が問題でした。特にメラニンの多い日本人の場合はTCAピーリングのあとは長期間紫外線から完全防備する必要があったため、TCAを使ったピーリングは普及しなかった歴史があります。
一方でTCAの強力なピーリング効果を期待して、凹んだニキビ跡に対してピンポイントで使用されていました。
過酸化水素はベルベットスキンを手に入れるための、PRX-T33の決め手です。TCAの強力なピーリング効果を緩和することによって、PRX-T33によるピーリングを安全安心なものにしました。
コウジ酸は美肌成分として、現在では多くのコスメに含まれている成分です。コウジ酸は皮膚の中のでメラニンが産生されることを抑制して美肌作用を発揮します。
理屈はどうでもいいから、効果としてヴェルベットスキンは実現するのか?
あくまで個人的な感想ですが、自分の肌を触ってみると確かりスムーズになっています。この状態を「ヴェルベット」である、との表現が適切であるか否かに関しては、手の感触ですし、日常的に本物のヴェルベットを触りまくっているわけでは無いので、「ヴェルベットを触ったような感触」と断定はできません。
肌の状態を数値化する方法も存在しますが、いくら数値が向上しても施術を受ける側が実感しないと意味が無いとも考えられます。
PRX-T33ピーリング + ダーマペン4 = ヴェルベットスキン、という公式が施術を受けた人が全員納得するかは疑問点が無いわけじゃ無いですが⋯私はツルツル感+なんとな〜く肌の張りがでていることを報告しますね。
気になる料金の方ですが、安くはありません⋯高いです。しかし、効果があまり感じない美肌治療を繰り返してもお金の無駄ですし、さらに頻回な施術を必要とする場合、時間の無駄にもなります。
ヴェルベットスキンを手に入れるために必要な費用は顔は総額で税込5万円(麻酔が必要な場合は+5000円ですが、まず必要ないと判断します)。施術時間は1時間で月1回をメーカー等は推奨していますが、施術の間隔はそこまで詰めないで良いと思いました。気合いを入れるイベント前とか、なんだか化粧ののりが悪いと感じた時とかだけでも良いのでは?
しかし、「ヴェルベットスキン」という言葉はどこの誰が考えだしたんだろう???