年齢とともに出てくる首のポツポツやブツブツはレーザーで治療できます。しかも痛くないですよ!

スキンケア

首にできたポツポツは炭酸レーザーで簡単に治療できる

首や肩周辺にイボ状のブツブツがある人、夏場は特に気になりませんか?このブツブツは実際に診察しないと確定診断はできないのですが、多くは良性腫瘍に分類される放っておいても全く問題のない病状なのです。

中にはウイルスが原因の場合もありますのでその場合は早めに取っておけば、第三者への感染防止にもなりますし、ご自身のポツポツの広がることを防げます。

首にできるポツポツってイボ??

ウイルスが原因じゃないのにポツポツがどんどん増えているって人も多いと思われます。その大きな原因は老化なんです。

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上記のようなレーザーで治療するのが一般的です。

首のポツポツの病名は??

この首やデコルテ部分にできるイボのようなものはいくつかの病名が考えられます。

老人性ゆうぜい・脂漏性角化症

老化によってイボ状のブツブツが直径1ミリ程度から大豆くらいまでの成長?します。数が増えているように感じるのは老化が進んでいるために次から次にできてしまうことと、目に見えないくらい小さなものが目に見える段階になって初めて自覚するようになるためです。

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軟性繊維腫

非常に病気らしい病名です。形も茎がある様なものからお椀型のものまであります。老人性疣贅・脂漏性角化症との違いは病理検査という顕微鏡を使って診断する検査が必要となります。軟性繊維腫・老人性疣贅・脂漏性角化症が「皮膚がん」になるような可能性はかなり低いので、医師が悪性を疑った場合以外はそこまでの鑑別診断は必要ないことがほとんどです。

スキンタッグ(Skin Tag)・アクロコルドン (Acrochordon)

首からデコルテにかけてできるブツブツのほとんどかこれです。多くの場合、軟性繊維腫と老人性角化症は混在しているので、ひっくるめてこのように呼んでいます。
首を触ってみてザラザラする、ヒゲを剃る時に引っかかる、服の襟に引っかかるなどによって気づく方が多いです。色は黒いもの(ホクロと認識する方もいます)から肌色のものまであります。

イボ取り治療

ウイルス性疣贅

ヒトパピローマウイルスの感染が原因となってできるポツポツです。これは放置しておくとウイルスの特性として多発して広がることが多いために早めの処置が必要です。また、第三者にイボを感染させるリスクもあります。

角質粒??

これはネット上に広がっている言葉ですが、首にできることは滅多にありません。顔の皮膚のターンオーバーサイクルの異常や老化や不適切なスキンケアが原因となって、毛穴などが詰まった状態(角栓)を言っているのだと予想されます。治し方としてスクラブ系の洗顔料を使用するとか、サリチル酸などのピーリング用の成分が入っているスキンケア用品を使用すると良い、なんて話の流れになっていますが、もしもウイルス性のものであったら余計にポツポツが広がってしまいます。明らかに間違った口コミ情報ですので、ご注意ください。

病名で分類すれば更に数種類ありますけど、「首のポツポツ」あるいは「首のブツブツ」と患者さんがおっしゃった場合、ほとんどが「スキンタッグ」の範疇に入ります。

首のブツブツの治し方もいくつかあります

治療方法としては保険で可能なもの、健康保険が使用出来ないものがあります。

ヨクイニンというハトムギから抽出されたエキス製剤が処方薬としても、市販薬としても出ていますけど、長期間服用しないと効果がでませんし、必ず効果がでるというワケではありませんので、積極的に首のプツプツを取る方法について述べて行きます。

液体窒素で冷凍凝固

手足にできたイボ(ほとんどがウイルス性)で使用される方法です。この治療法はマイナス196度の液体窒素をボツボツに当てることによって人工的な凍傷状態を作って、最終的には腐ってぽろっと取れると言う非常に原始的な治療です。麻酔を併用することは保険適用の範囲外という解釈がなされるために、非常にイタい治療なのに無麻酔で行なわなければならないので当院では採用しておりません。

また、液体窒素で凍らせるという作用のために、患部以外にも影響を与えますし、術後の色素沈着という可能性も大きいので特に女性にはお薦めできない治療方法です。

手術的に切除する

メスを使って切り取る方法は大きなものは「皮膚腫瘍」として保険範囲で治療可能という解釈もあるようですが、多発する首のボツボツを一つ一つ切っては縫って、切っては縫って対応する医療機関はかなり少ないでしょう。患者さんの術中、術後の不便さを考えたらこれもお薦めできません。

レーザーで除去

美容皮膚科、美容外科でなくても、いまどき気の利いた一般の皮膚科でも炭酸ガスレーザーを導入しているところが増えています。炭酸ガスレーザー、別名CO2レーザーはシミなどを取り除く時に使用するヤグレーザーなどと違って、ひたすら熱のパワーによって患部組織を蒸発(正確には蒸散)させます。一個のスキンタッグを治療するのに必要な時間は数秒です。残念ながら保険の適用外である自由診療になりますので、治療するクリニックによって料金に違いがでてきます。事前に治療費の確認をしておく必要があります。

ちなみに当院では一個6,000円で行なっています。小さいものも最終的には大きく目立つようになりますので、肉眼で確かめさらに手で触っていただいて気になる所を徹底的にレーザーで除去するとかなりの数になってしまいます。

麻酔は大きなものは注射による局所麻酔、小さなものが多発している場合は貼る麻酔剤を使用します。炭酸ガスレーザーが患部に照射している時間はホントウに数秒なので「麻酔なんていらないよ」っていうオッサンも結構います。治療に際しての注意点としてはご自分で30個と思われいても首からデコルテにかけてボツボツ全部を取り除くとすると100個以上❗なんてこともありますので、当院では治療費の上限を決めています。

その場では気がつかなかったけど、数ヶ月後に気になるブツブツが出てくることもあるので(治療済みの箇所の再発ではありません)、一定期間は繰り返して治療しても上限金額を越えないように工夫しています。

自分で取る

「ご自分でハサミで簡単に切り取ることもできます」なんて書いてしまうとその部分からバイキンに感染したり、万が一悪性黒色腫でそれが切っ掛けで全身に転移、なんてことがあると当院としては一切の責任を取りたくありませんので絶対にお勧めしません。

スキンタッグを取るか、取らないか迷った場合は

悪性であることは非常に少ないスキンタッグですけども、ウイルス性であればボツボツは増える一方です。取ろうか、放置しておこうか?と迷った場合は先ずは医療機関を受診してください。悪性か良性かの診断を受け、それから治療法を選択して、自由診療のレーザーを選択した場合は必ず料金を確認する注意が必要です。

顔にプツプツが多発する場合は稗粒腫(ひりゅうしゅ)や汗管腫(かんかんしゅ)などの病名の疾患もあります。治療方法としてはスキンタッグと同様とお考えください。

桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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