余分な脂肪を無くす治療として圧倒的な実力があるのが脂肪吸引です。しかし、脂肪吸引は熟練した医師に任せないとリスクがあるのも事実です。
女性の場合、脂肪が落ちにくいとされている二の腕の当院での脂肪吸引の症例をご紹介します。
いくら運動をしても落ちにくい二の腕の脂肪吸引について
腕が太く見える二の腕の脂肪を気にしている女性が多いです。男性の場合、二の腕の脂肪を気にする人が少ないのはたんに気にしていないのか実際に二の腕に脂肪がつきにくいのかについては議論は今回は省きますね。
二の腕が太くなる原因は皮下脂肪によるものであり、いくら筋トレをしても二の腕の皮下脂肪を減少させることが困難なことは筋トレマニア(女性)の間では半ば常識化しています。
二の腕の皮下脂肪を取り除く最終手段として脂肪吸引が考えられます。脂肪吸引はそれなりのリスクがある治療方法ですが、腹部の脂肪吸引と違って二の腕の脂肪吸引はかなり安全に行われることを広く知ってもらいたいために種痘の生みの親であるジェンナーの様に自分の子どもの二の腕の脂肪吸引を先日行いました(ジェンナーの逸話は作り話であり実はよその子に種痘をしたんだけどね)。
顔の脂肪吸引もできます。詳しくは顔痩せしたい場合、効果で選ぶなら脂肪吸引と言われる理由をご覧ください。
まずは脂肪吸引前の準備、マーキング
脂肪吸引の問題点として患者さんが希望した部分の脂肪が望んだように減っていない、があるそうです。そこで大切なことが減少させたい脂肪の部位をマーキングして患者さんと確認することです。
寝た状態で二の腕の無くしたい脂肪の位置をマーキングしたのち、立ち上がってもらい、下のような姿勢をとってもらい再度確認します。赤丸は脂肪吸引をするための管(カニューレ、あるいはカニューラと呼ばれる)を挿入する場所です。
次に脂肪吸引する場所とその周囲を消毒して、清潔な状態のカバー(手術用ドレープ)をかぶせます。脂肪吸引のリスクの1つとして感染がありますので、ここの操作は慎重に行われないとダメ。
脂肪吸引のチュメセント、このチュメセントが曲者?
美容クリニックの脂肪吸引の説明で「チュメセント」あるいは「チュメセント液」という言葉が使用されています。チュメセントを略して「チュメ」と呼んでいる医師や看護師がいますが、チュメセントの本来の意味を知っている人が少ないのが美容医療が異端視される原因だと思います。チュメセントは英語で「Tumescent」で腫脹や腫れることを意味しています。脂肪吸引で使用されるチュメセントには生理食塩水や麻酔剤や血管収縮剤を混ぜたものであり、脂肪以外部分にダメージを与えないで脂肪を吸引するために使用されるものです。チュメセントは「チュメセントするための液」が正しい使い方でしょうね。
そんなうんちくを話しながらうちの子ども(ジェンナーじゃないから実子)の二の腕にこんな感じでチュメセント液を注入します。
ブヨブヨに膨れ上がっているのはチュメセントで腫脹させたから、他の部位より白っぽく見えるのは血管収縮剤の効果です(血管を収縮させることで脂肪吸引に使用するカニューレで血管を傷つけないことが可能です)。
さあ、脂肪吸引の始まり始まり〜。
チュメセントで膨らました二の腕に向かって先程のカニューレ注入部位からカニューレを入れて脂肪を陰圧をかけたシリンジで吸引します。機械式の吸引器もあるにはあるのですが、必要以上の陰圧をかけたり乱暴な手技は重篤なトラブルの原因にもなりかねないので、バネのような仕組みで陰圧をかけることができる注射器(シリンジ)で脂肪を吸引します。
脂肪吸引したあとは包帯とテープでぐるぐる巻にして出血と腫脹を予防します。
採取できた脂肪の量は片腕でチュメセントを除いて100mL程度、この吸引した脂肪をヒアルロン酸のように凹んだシワの部位や老化して後退した頬やおでこに注入することもできます。ちなみに当院はコンデンスリッチファット注入療法というアメリカ食品医薬品局(FDA) の認定を受けた器具を使用しておりCRF認定施設です。
ぐるぐる巻の包帯やバンテージは脂肪吸引治療後2日着用する必要がありますが、治療当日もシャワーはOKです。
気になる二の腕の脂肪吸引の結果はこれ❗
脂肪吸引自体の影響により1〜2週間程度は脂肪吸引より二の腕が腫れぼったく感じられたり、皮下出血などのそれなりのダウンタイムは出るには出ますが最終的にはこのように仕上がります❗
私の目から見てもかなり二の腕がスッキリしたように見えますし、本人も満足の様子でした。
そういえば私の子どもの二の腕の脂肪吸引をしたのは当院の美容担当医師であって私じゃなかった、やっぱりジェンナー状態(笑)。