しわの原因・治療・予防の全て

シワは年齢を意識させてしまう避けることができない、皮膚におこる老化現象です。

避けることはできませんが目立たなくしたり、発生を減らすことは充分に可能です。

気になるシワの種類別に適した治療法の紹介を中心に、日常生活での予防法などについても詳しく解説します。

シワの種類

シワには大きく分けると3つの種類があります。

  1. 表皮ジワ(乾燥ジワ)
  2. 真皮ジワ(紫外線ジワ)
  3. 表情ジワ

表皮ジワと真皮ジワはしわの深さの違いによる区別です。

皮膚の構造は以下のようになっていますが、表皮の部分だけのしわが表皮ジワ、真皮まで及んでいるしわが真皮ジワです。

表情ジワは読んで字の通り、笑ったりすると顔にしわができますが、そのしわが固定したものです。表情が豊かな人ほどできやすいしわです。

皮膚の構造の断面図

ではもう少し詳しく説明しましょう。

表皮ジワ(乾燥ジワ)

表皮にとどまっているシワです。

乾燥が主な原因であるため乾燥ジワともいいます。

俗に小じわとかちりめんジワなどと呼ばれるシワはこの表皮ジワに分類されます。

真皮ジワ(紫外線ジワ)

真皮にまで深く及んでいるシワです。紫外線が主な原因であるため紫外線ジワともいいます。紫外線が皮膚にあたると、活性酸素が皮膚内に発生します。活性酸素が皮膚にダメージを与えることで発生するシワです。

表情ジワ

表情ジワは、シワができる表情を繰り返すことで固定化してしまったシワのことです。表情が豊かな人はできやすいシワです。

シワの原因

健康な肌としわのある肌

肌は、真皮全体にコラーゲン線維(上図赤線)が網目状に張り巡らされ、それを要所要所で繋ぎ合わせているのが弾力性のあるエラスチン(上図青色)です。この構造はクッションのようなものとお考えください。皮膚の弾力はこのクッション構造の賜物です。

また、この構造の隙間は水分をたっぷり含んだヒアルロン酸(上図黄色)で満たされ、肌の内側の水分を保つ役割を果たしています。真皮の中にある線維芽細胞(上図の目のような形のもの)は、これらのコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を産み出す重要な細胞です。

クッションは中身がヘタってしまえば弾力がなくなり薄くなってカバーにシワがよります。肌も同じなのです。

シワのある肌との違い

しわのある老化した肌は以下の点が健康な肌と異なります。

  • コラーゲンやエラスチンは年齢とともに生成される量が減る
  • 年齢とともに抗酸化酵素が減少する
    紫外線を浴びることによって、活性酸素が発生しこれにより皮膚はダメージを受けます。
    活性酸素を解毒する作用のある抗酸化酵素が年齢とともに減少するため、より紫外線を浴びることによるダメージが大きくなるのです。
  • ヒアルロン酸が年齢とともに減少する
    これにより真皮の部分に含まれる水分も減っていきます。そうなるとクッション構造が保てなくなり、使い古したせんべい布団のように弾力がなくなり、お肌のハリが失われます。

これらの作用によって肌表面に深くくっきりとしたシワが現れることになるのです。

ここシワの原因となる活性酸素について説明しておきましょう。

リンゴは皮をむいた直後はきれいな色をしていますが、皮をむくとすぐに茶色く変色します。鉄がさびたり、てんぷら油が劣化するといった現象も酸素の影響です。

活性酸素は俗に体をさびさせる物質などといわれています

このように酸素は様々な物質をさびさせたり、劣化させたりしますが、その中でも特に活性酸素は体の組織を変性させる働きがあります。

呼吸で取り入れた酸素のうち、2~3パーセントは細胞を壊す活性酸素になります。

がんや、様々な生活習慣病、動脈硬化、心臓病、認知症などの原因にもなります。

活性酸素そのものは殺菌作用、免疫にも関わるため全てが悪いわけではないのですが、増えすぎると老化の原因になる重要な要因です。

シワの治療法及び効果一覧

シワの種類に応じて治療の効果が違います。
またダウンタイムの違いや治療に伴う痛みの差もあるので、症状や患者さんの要望に応じて適切な治療を組み合わせて選択します。

以下の表では当クリニックでは採用していない治療法も含め、網羅的に記述しています。当クリニックで採用している治療法はオレンジ色で色付けしてあります。

当クリニックでは採用していない治療法については、経験によるものではありません。知識的なものであったり、作用メカニズムから基づく推測であることをあらかじめおことわりしておきます。

治療法効果ダウンタイム
表皮真皮表情
ボトックスまれに内出血がおこることがあります
フィラーヒアルロン酸スタイレージ、ボリューマ同上
コラーゲン同上
脂肪細胞同上
カルシウムハイドロキシアパタイト同上
ポリ乳酸同上
レーザー・フォト・高周波(RF)・超音波といった美容機器IPLオーロラなし
高密度焦点式超音波 (HIFU) ウルトラフォーマーなし
フラクショナルレーザーアクション22 〜3日赤みが出ます
フラクショナルRFイーロスプラス同上
マイクロニードルRFヴィヴァーチェ同上
QスイッチYAGレーザーメドライトC3・レブライトなし
高周波
ラフォス
なし
その他美容機器マイクロニードルダーマペン2 〜3日赤みが出ます
リフトアップ外科手術2 〜3日軽い腫れが出ます。まれに内出血が起こることがあります
スレッドリフトVOVリフト、テスリフト、スレッドフィラー、シュガーリフト1〜2日腫れることがあります。まれに内出血が起こることがあります
再生医療PRPまれに内出血がおこることがあります
メソセラピー針跡がかさぶたになったり、赤みや腫れが数日起こります
エレクトロポレーションなし
イオン導入なし
超音波導入なし
ケミカルピーリングなし
薬剤ビタミン類なし
アミノ酸類なし
ミネラルなし
成長因子なし
補酵素なし
栄養成分ポリフェノール類なし

◎ 非常に効果がある
◯ 効果がある
△ 多少効果がある
✕ 効果がない

代表的な治療としては「シワを埋めて平らにする」「表情ジワの原因となる筋肉の動きを抑制する」という2種類がありますが、他の治療法についてもここでは説明します。

シワを埋めて平らにする治療

フィラーとは詰め物という意味ですが、フィラーをシワの部分に注射して凹んでる部分を盛り上げて平らにします。

フィラーには3種類があります。

  1. コラーゲンやヒアルロン酸など、生物由来の素材
  2. 脂肪細胞や多血小板血漿(PRP)など、自分の体から採取した素材
  3. カルシウムハイドロキシアパタイト、ポリ乳酸などの合成素材

1.生物由来の素材

最も一般的なシワを改善するためのフィラーは、ヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸は生物由来の物質なので、体に吸収されるため安全であることが特徴です。

生物由来の物質として他にはコラーゲンがあります。

牛から作られる牛コラーゲン、豚から作られる豚コラーゲン、ヒト由来のコラーゲンがあります。

牛や豚由来のコラーゲンはアレルギーを起こす確率が高いので必ず事前にアレルギーテストを行ってから注射する必要があります。それが煩雑なため、現在ではコラーゲンよりもヒアルロン酸注入の方が主流になっています。

一般的に使われているのはこのような危険のない、バイオテクノロジーによって精製されるヒアルロン酸です。

ちなみに化粧品にもヒアルロン酸は使われていますが、ヒアルロン酸を皮膚に塗っても全く浸透しません。シワを改善する効果はなく、主に肌の保湿を目的として使われています。

また、サプリメントなどでもヒアルロン酸が加えられている製品があります。

ヒアルロン酸注射は多くのクリニックで行われており、お手軽な美容医療と思われていますが、トラブルもあるので注意が必要です。

ヒアルロンを誤って重要な血管に注射してしまうと血管が詰まってしまい、その血管によって維持されている組織が死んでしまいます。

皮膚であれば皮膚の壊死が起こりますし、目や脳であれば失明や脳梗塞といった重篤な医療事故につながります。

重要な血管の位置は個人差があったり、ケガや手術があると位置が変わってしまうことがあるため、必ずしも解剖学の教科書どおりではないため経験が重要です。

近年では専門外の医師が単に儲かるからという理由で美容皮膚科を標榜し、ヒアルロン酸といった治療を数多く行っています。

私は専門家としてこのような風潮はとても危険だと考えています。

ヒアルロン酸については「ヒアルロン酸注入治療百科」という記事を以前まとめたので更に詳しく知りたい方はご覧いただければと思います。

2.自分の体から採取した素材

脂肪吸引により採取した脂肪細胞をフィラーとして使うこともあります。

脂肪細胞の注入はこけている頬ふくらませるとか、バストアップといった治療に使うのが一般的で、しわの治療を主目的に使うことはまずありません。

というのも、脂肪細胞は定着が悪く、半分以上は吸収されてしまい残らないからです。

しわを充分に改善するために、数回にわたって注入しなくてはならないこともあります。

多血小板血漿(PRP)は、比較的古くからある血液の中の血小板を用いる治療法です。

アメリカのメジャーリーグで活躍しているヤンキースの田中将大投手や、二刀流として有名なエンゼルスの大谷翔平選手が、肘の靱帯損傷をPRPを行なって治療したことでも知られています。

患者さんの血液を採取して、遠心分離機を使って血小板という成分だけを分離して取り出します。

血小板とはケガをしたときなどに傷口を塞ぐ働きがある血液中の成分です。この血小板には損傷した細胞を再生させる指示をする成長因子という成分が多く含まれています。

血小板を注入する治療法がPRPで、皮膚に注入することで新しい皮膚への再生を促すのです。小じわ改善や肌の再生、薄毛治療に効果があります。

3.合成素材

カルシウムハイドロキシアパタイトは硬い骨の成分です。

骨の表面を覆っている骨膜の上に入れて、頬やあごのラインを整えたり、鼻を高くしたりといった用途に用います。基本的には体の中にある成分と同じなので安全です。

ヒアルロン酸と同じようにシワの改善に使うケースもありますが、ヒアルロン酸と異なる点があります。

ヒアルロン酸の場合は、誤った場所に注入してしまった場合は、ヒアルロニダーゼという分解酵素の注入によって溶かして除去が可能です。しかし、カルシウムハイドロキシアパタイトにはこのような手段がありませんので、危険性が高い治療といえます。

ポリ乳酸とはとうもろこしやじゃがいもなどのデンプンから作られる、植物性のプラスチック素材です。

スレッドリフトという、たるみ改善のために皮膚を引っ張り上げる糸にも使われている素材ですが、フィラーとして使われることはあまりありません。

フィラーとしてポリ乳酸を使った場合には即効性がなく、シワの回復が感じられるようになるまでに2~3週間程度かかります。また、注入した場所に凹凸ができてしまうといった失敗も起こります。

また、体が異物に反応した結果として肉芽腫という腫瘍ができてしまうこともあります。腫瘍といってもガンではありませんが、ガンになる可能性も否定しきれないため摘出する必要があります。ちなみにスレッドリフトで使用するポリ乳酸にはこのような危険はありません。

これら合成素材は体内に異物が入った場合、体の自然な防御反応としてコラーゲンが生み出される効果があるため、注入されたフィラーがなくなった後も効果が残り、比較的長く効果が持続するという特徴はあります。

しかし、適用には前述のような危険性があるため充分な考慮が必要です。

表情ジワの原因となる筋肉の動きを抑制する

眉間の縦じわ、額のシワ、目尻のシワといったシワは、主に表情をうかべることによってできる表情ジワです。

表情ジワは表情筋の動きを抑制することで改善することができます。このために用いられる薬剤がボトックスです。

神経から筋肉に信号を伝えるために、神経伝達物質である「アセチルコリン」を放出します。

ボトックスはアセチルコリンの放出を抑える働きがあります。筋肉をつかさどる神経にボトックスを注射することで、筋肉の動きを抑制することができます。

表情筋にボトックスを用いることで、表情ジワを改善するのです。

ボトックスはボツリヌス菌から抽出したタンパク質の毒素です。ボツリヌス毒素は呼吸に関する筋肉に作用すると、呼吸が麻痺して重篤な症状を引き起こします。

しかし、ボトックスはボツリヌス毒素を主成分とはしていますが、呼吸を止めてしまうものではなく、安全性と高い効果が立証されている一般治療にも広く使われている薬剤です。

美容医療だけではなく、まぶたの痙攣治療や多汗症、過活動膀胱などの治療にも用いられている安全な薬剤です。

しかしながら、完全に副作用がないわけではありません。

顔の神経や筋肉の構造をよく理解していない医師が使用すると、障害が起こる可能性があります。

例えばまぶたを閉じるための筋肉が麻痺したり、飲み物を飲みこむことができなくなったり、笑ったときに不自然な表情になったりといった様々な不具合が起こります。

ボトックスも手軽な美容治療と思われていますが、やはり専門の熟練した医師に行ってもらうべきです。

レーザーに代表される美容機器

レーザーやフォト(光)、高周波、超音波といった美容機器の使用は、シワの改善を主目的としておこなうことは通常はありません。

しみ、ニキビ跡、たるみ、毛穴の引き締め、肉割れといった様々な肌の改善がメインの目的として行い、副次的効果としてシワの改善効果があるといった治療です。

もちろん、シワをとる効果も期待して実施することも多くあります。

機器によって得意とする症状は大きく異なるため、非常に多くの種類の機器が作られています。

美容機器に共通する働きは、皮膚にダメージを与えることで、自然回復力によって新しい皮膚の生成を促すことです。これによって新しい皮膚が作られ、若々しい肌を取り戻せるわけです。

前述の表に挙げている機器は皮膚の生成だけではなく、皮膚の奥深くに熱が伝わる特性があります。これによりタンパク質が熱で変性し収縮することで、皮膚の引き締め効果があります。

またダメージを受けることによって、修復作用が起こりコラーゲンの生成が促されます。これによってもシワの改善につながります。

皮膚がダメージを受けるという書き方をすると、危険性があるように思う人もいらっしゃるかも知れませんが、これらの機器は安全性が確認されており、専門の医師が使用すればまったく危険性はありません。

マイクロニードルはここではその他美容機器と分類しています。

皮膚にダメージを与えて自然回復を促す点は共通しています。

他の機器は主に熱エネルギーを皮膚に与えるのに対し、マイクロニードルは極細の針で、皮膚に無数の穴をあけることでダメージを与え、自然回復を促します。

リフトアップ

たるみのある皮膚を伸ばしてたるみを除去する治療です。

その中でも引っ張って余った皮膚を切り取る外科手術による「切るリフトアップ」と、皮膚を引っ張り上げる糸を皮膚に埋め込む「スレッドリフト」の2つに大きく分けることができます。

皮膚を引っ張りあげることで結果としてシワも伸びます。

メソセラピー・エレクトロポレーション・イオン導入・超音波導入

薬剤を皮膚に入れる治療です。

皮膚の表面は外界からの化学物質や細菌などの侵入を防ぐために強固なバリヤになっています。

皮膚の表面に塗ることで効果のある成分もありますが、多くの成分は皮膚の内部に浸透することができません。そこで皮膚の内部に作用させるための様々な治療が行われています。

  • メソセラピー
    注射によって直接皮膚の深部に薬剤を注入する方法です。直接注入するため最も効率が高い治療法です。
  • エレクトロポーレーション
    皮膚表面に電気を流し、皮膚にごく微細な穴を開けます。薬剤はこの穴を通過できるようになるため非常に浸透しやすくなります。
  • 超音波導入
    皮膚の表面に超音波という耳では聞こえない高い音を流します。1秒間に数百万回といった振動を皮膚に与え、薬剤が通過する隙間を作る方法です。
  • イオン導入
    皮膚に微弱な電流を流すことで、薬剤をイオン化して浸透させる方法です。
    人体が薬剤と反対側に荷電することによって、磁石のN極とS極が互いに引っ張り合うような感じで、自然と体内に引き込まれるという作用を起こします。

薬剤の体内への取り込み効率の高い順番に並べると以下の通りとなります。

①メソセラピー → ②エレクトロポレーション・超音波導入 → ③イオン導入

ヒアルロン酸やコラーゲンの注射についてはこれまでに述べたとおりですが、エレクトロポレーションという方法で皮膚内に吸収させる治療法もあります。

ただしこの場合はシワの凹みの部分をふくらませることはできませんので、しわの発生を抑制するという意味合いになります。

メソセラピー・エレクトロポレーション・イオン導入・超音波導入で使用する薬剤には、他にも様々なものがあります。

活性酸素の働きを弱める抗酸化物質、皮膚を作るための原料となるアミノ酸、皮膚の組織の再生、増殖を促す成長因子、酵素の働きを助ける補酵素といった様々な薬剤があります。

また美肌に寄与する様々な成分を配合した薬剤も使用されます。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは皮膚の表皮にある角質を除去する薬剤を塗る治療法です。

除去される角質は垢となってはがれ落ちる部分です。

角質がなくなると新しい皮膚の生成が促され、新しい皮膚へになります。これにより、ニキビやニキビ跡、くすみ、毛穴の開き、小じわなど様々な皮膚の状態が改善します。

エステやセルフのシワ対策と美容医療の違い

エステのシワ対策

エステでできることはあくまでリラクゼーションであって治療ではありません。

最も効果的な注射や様々な肌のトラブルに対して非常に大きな効果を発揮するレーザー治療は、医療機関でしか使用することができません。

そしてエステで使用できるシワ対策の機器は超音波・高周波・フォトとなりますが、医療機器に比較すると非常に出力が弱いので効果は限られたものです。

費用は一見安いように見えますが、多い回数を通う必要もありますので一概に安いともいい切れません。

エステを否定するものではありませんが、シワについては美容医療でしか解決できないものです。

化粧品によるシワ対策

前述の通り、有効成分は注射で打ち込むのが最も効果があり、ついでエレクトロポレーションやイオン導入などで浸透を図る方法がこれに続きます。

しかし、ただ塗るだけだと分子のサイズが大きい薬剤は皮膚に全く浸透しません。また浸透する薬剤でも有効成分の多くは皮膚内部に浸透せず効率は低いのです

化粧品のシワ対策として可能なことは、シワを改善するというよりは保湿がメインとなります。

保湿することで新しくできるシワの発生をある程度防ぐことができます。

保湿に最も有効な成分としてセラミドがあります。

皮膚の角質に含まれる成分で、皮膚の保湿・バリア機能を担っている物質です。このセラミドが入っている化粧品は高価ですがお勧めできます。

また、セラミドほどの効果はありませんが、安価で保湿に役に立つ物質としてはヒアルロン酸やコラーゲンがあります。注入するのと違い、シワを直接改善する効果はありませんが保湿の効果は期待できます。

多少なりともシワを改善できる可能性のある成分としては、ビタミン系の成分があげられます。

ビタミンAともいわれるレチノールは、皮膚に浸透しコラーゲンを増やす作用があるため、効果は多少は期待してもいいかもしれません。

しかし、医療機関ではトレチノインやレチノイン酸といった薬剤を処方することができます。

トレチノインやレチノインはレチノールの類似化合物で同じ作用ですが、作用の強さが全く異なり、レチノールの10倍以上の効果があります。

トレチノインやレチノインは効果が強い半面、刺激が強いので医師による処方がなければ使うことはできないのです。

家庭用のフォト・高周波・超音波・マイクロニードルなどの効果は

様々な家庭用の美容機器が販売されており、かなり手頃な値段で手に入ります。

いつでもできるし、一度買えば費用がかからないのだから、回数を多くやれば効果があるのではないか?と思われるかもしれません。

フォト・高周波・超音波に関してはあまりいい表現ではありませんが、やはりプロから見れば家庭用のものはオモチャとしかいえない性能といえます。

どういう使い方をするかまったくわからない無資格者が使うわけですから、どんな使い方をしても安全に使える機械です。

言いかえればどんなに使ったとしても、体に対してほとんど影響がない、つまり効果がないということです。

マイクロニードルは昨今かなり流行っていますが、これはかなり危険です。

マイクロニードルを使用して顔が血だらけになっているYoutubeの動画などもありますが、このような自己流の治療は危険です。

機材の精度も違いますし、滅菌処理も心配ですし肌が逆に荒れたり、瘢痕になってしまう可能性があります。一度瘢痕になってしまったら美容医療でも完全に治すことはできないかもしれません。

シワの予防法

シワは避けられない老化現象です。

しかし、日常生活において以下のようなことに気をつけることでかなり防ぐことはできます。

  • 活性酸素の発生原因となる紫外線を避けましょう。
  • タバコには抗酸化物質であるビタミンCを分解する作用があります。禁煙することが望ましいです。また受動喫煙にも気をつけたいです。
  • 排気ガスや煤煙などで汚染された空気も活性酸素の発生原因となります。
    できる限り空気のきれいな環境で生活することが望ましいです。
  • ストレスなどによって自律神経やホルモン分泌が乱れ、肌のトラブルにつながります。
    リラックスできる環境で生活しましょう。
  • 睡眠不足は皮膚の再生を遅らせる原因になります。十分な睡眠をとりましょう。
  • 激しい運動は活性酸素を体内で多く発生させますので避けたほうがよいです。
  • 油で揚げた食物を食べると、体内に活性酸素が発生しますので避けましょう。
  • 抗酸化物質を積極的に食事から摂りましょう。
    代表的な抗酸化物質としてはカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、アスタキサンチンがあります。

これをご覧いただいて「特別なことは何もないのではないか?」と思われるかもしれませんが、実際そのとおりです。

成人病予防のために適切な生活習慣とされていることを実践すればよいのです。

身体にいいとされていることは、身体の一部分である皮膚にもいい影響があるということです。

シワの悪化を防ぐ

まずは紫外線を浴びないことが重要です。

そして、こするといった物理的な刺激を避けるようにします。マッサージはむしろシワを悪化させるため、もんだり、ローラーなどの美容器具の使用も逆効果になります。

表情ジワの改善のためにマッサージが効果的などという情報はよく出回っていますが、このような対策は避けましょう。

まとめ

シワの種類別の治療法、原因、対策について説明してまいりました。

治療は基本的には美容医療のみとなり、また医師によって技術の違いがあることもおわかりいただけたかと思います。

まずはできる限り予防をし、その上でどうしても治療したいシワについてはクリニックを慎重に選んで受診することをおすすめします。

松下洋二(医師)

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

主に他院での鼻整形の失敗で悩む患者さんからの修正依頼に応えて続け20年以上経ちます。こんな私の強みは、施術後、時間が経つと一体どんな影響を及ぼしていくのか、その未来について予測ができること。医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験を現場で活かすだけでなく、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

松下洋二(医師)への相談窓口

0120-70-5929

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