私の趣味はピアノです。
ピアノは5歳の頃から弾いているのですが、始めた理由は親に強制されたとかではなく、友達がやっているのを見て楽しそうだったからです。
私は基本的には飽きっぽいのですが、もう50年も飽きずにやっています。ピアノさえ弾いていれば幸せというぐらいピアノが好きです。
クラシックだけではなくジャズなども弾きますし、オリジナル曲を作って演奏したりしています。
色々な作曲家の曲を弾きますが、特に好きなのはショパンです。
ショパンは日本でも人気がありますが、特にポーランド人にとっては英雄でありコペルニクスに並ぶ国家を代表する偉人です。お札にもコインにも肖像画が描かれています。
さてショパンについてはこれだけYoutubeで演奏を公開しています。
Youtubeでの公開動画
ちなみに私が弾いているピアノはPLAYEL(プレイエル)というピアノ制作会社のものです。ショパンが生涯愛したピアノとして知られています。このPLAYELを弾けるというだけで幸せといっても言い過ぎではありません。
さてこの動画の中で特に思い入れの深い曲について紹介します。
ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
第1楽章
第2楽章
ショパンのピアノ協奏曲には第1番ホ短調作品11と第2番ヘ短調作品21の2曲があります。
ショパンの祖国ポーランドのワルシャワで、ショパン国際ピアノコンクールの本選(最終的な順位を決定する)が5年に1回行われます。
その課題となっているのがピアノ協奏曲です。第1番、第2番のいずれかを自由に選択して演奏するのですが、第1番を選ぶ出場者が圧倒的に多いのです。また過去の優勝者のほとんどが第1番を選択しています。
ショパンを演奏する者としては憧れの曲なんですよね。
さて、ピアノ協奏曲第1番は非常に長い曲で第3楽章まであります。現在は第2楽章までアップしており、第3楽章は現在準備中です。
うれしいことにこちらの動画ではコメントを200件以上もいただき、更にピアノのモチベーションが高まりました。一人で弾いているのも楽しいのですが、人に喜んでもらえるといううれしさは格別です。
この曲については質問をいただいたことがありますので紹介しておきます。
「オーケストラの演奏に合わせて弾いているように見えますが、どうやっているんですか?」
ピアノを弾く多くの者にとっての夢は、オーケストラとの共演です。しかし、素人にとってオーケストラと共演する機会はほぼありません。
そこでオーケストラの伴奏は自分で作っています。
シンセサイザーという電子楽器に全ての楽器の楽譜を、パソコンに入力して演奏させているのです。楽譜を入力するというと大変に思われるかもしれませんが、私はピアノを弾けるので、鍵盤でそれぞれの楽器のパートを弾いてやれば入力が終わります。
結局は全部の楽器の演奏をピアノで行っているんです。
入力した譜面は後でパソコンの画面上で、Finaleという楽譜を編集するソフトを使って編集します。
楽譜を入力しただけだと味も素っ気もない演奏になってしまうので、強弱を指定したり人間らしく音をずらしたりといった編集を行っています。
全楽器について行うのでこの作業は大変です。
私の家のパソコンはほとんどこの作業の専用機みたいな感じになっています。
ワルツ第10番ロ短調作品69-2
ショパンの中では一番ポピュラーな曲とも言えるでしょう。ピアノ中級者ぐらいで弾けるのでそれほど難しい曲ではありません。
小中学生ぐらいで弾く曲で、いわゆるショパンの入門編ともいうべき曲です。
子供のころから弾いている思い出深い曲です。
バラード第1番ト短調作品23
この曲はフランスのピアニスト、サンソン・フランソワの演奏が素晴らしく、めちゃめちゃ好きな曲です。
サンソン・フランソワは酒とたばこが大好きな、無頼のピアニストとして知られていました。
好きな曲は徹底的に練習する反面、嫌いな曲は徹底的に嫌ったらしいです。
「ベートーヴェンは生理的に嫌で受け付けない。モーツァルトなら受け入れてやっても良い」といった発言が知られています。
酔っ払って演奏することもあり、その演奏は賛否両論、最後は不摂生がたたって心臓発作で急死しています。酒とピアノにおぼれた生涯といっていいでしょう。
最近のピアニストというと優等生みたいな方ばかりで、こんな破天荒な生き方をする方はまったくいなくなったのは寂しいですね。
また、今は手軽に他の人が演奏を聴けるので、人まねみたいな感じでだんだん似てきちゃうんです。
どうしても他の人の演奏を聴くと、先入観が植え付けられてしまうものです。
結果としてどこかで聞いたような感じの演奏ばかりになってしまって、個性的な演奏が少なくなりました。
サンソン・フランソワの演奏はそれはもう独創的で素晴らしいものです。こんな独創的な演奏は彼にしかできないでしょう。
もし、タイムマシンがあったらショパン本人の演奏を聴いてみたいものです。
文章で演奏の感想をつづったものはありますが、残念ながら本人の演奏を聴くことができないのは実に残念です。ピアニストとしても超一流であった彼の演奏は、きっと今聞いてもとても素晴らしく斬新なものであることは間違いないでしょう。
instagramの動画の紹介
最近はインスタグラムにも短い動画をあげています。
この中から特に思い入れ深い演奏を紹介します。
ショパン エチュードハ短調作品10-12「革命のエチュード」
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左手が終始高速で鍵盤を駆け回る難曲です。
これは私が大学の教養課程の2年間の間にはまっていた曲です。
当時在籍していた鳥取大学は、総合大学だったので教育学部がありました。その中に音楽科がありました。
1畳ぐらいの狭さのピアノの個室練習室が20室ぐらいあって、それぞれヤマハのアップライトピアノが置かれていました。私は医学部の講義をサボって、ここでピアノばっかり弾いていたのです。
当時の私はピアノばっかり弾いていたので、音楽科の生徒だと勘違いされていたらしいです。
宿命
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私が20代の頃に作曲したもの曲です。
PLAYELの鍵盤が壊れてしまい修理中です。なので珍しい鍵盤のないピアノの演奏の動画となっています。
バッハ パルティータ第2番ハ短調BWV826より「カプリッチョ」
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バッハは私が医学部を目指して浪人していた時に心の支えになってくれた曲です。これを聴くと浪人していたときの記憶がよみがえります。
浪人生ですから勉強しないといけないので、当時は演奏するよりレコードを聴いているときの方が多かったです。
ピアノが仕事に役立つ理由とは
ピアノと美容外科の仕事は一見何の関係もないと思うかもしれません。
しかし、仕事の上で非常に役に立っていると思っています。
美容外科の施術はできる限り早く終わらせるべきものです。時間が長引けば長引くほど体への負担が増え、ダウンタイムが長くなります。
私は他の美容外科医の方から「手術が速い」とよく言われるのですが、それはピアノの影響があると思っています。
速く手術を終わらせるためには、段取りよく次にやるべき動作を念頭に置きながら作業をする。リズムに乗って流れるように手を動かすといったことが大切です。
この点においてピアノは間違いなく役にたっています。
リズムに乗るという点ではピアノと手術は共通している部分があります。
また、ピアノは左右違う動作をするので、手先の器用さに確実に寄与しているはずです。
また、ピアノは現在弾いている場所だけではなく、そのあとに弾く部分を考えに入れながら演奏をする必要があります。そのため、その先の動作を考えながら手を動かすという点においても役にたちます。
手術もその次にやるべきところを考えながら、手を動かす必要があるのでこれもまたピアノと共通していると思います。
そしてピアノは集中力が養われます。
長い曲になると30分以上、50ページも譜面がある曲をミスをしないよう集中力を切らさずに演奏する必要があります。
手術も集中力を切らしてはいけないことは共通です。
集中力もピアノによって培われた部分が大きいです。
もし、小さいお子さんをお持ちで、将来外科医にしたいと思っていらっしゃるならピアノを習わせるのはお勧めしたいです。
指は脳の能力の多くを使うので、ピアノを練習すると脳の発達を促すともされています。
まあ、本人が嫌ってるものを無理にやらせるものではないと思いますが、興味をもって楽しく練習するなら是非お勧めしたいです。