鼻の穴や横に張り出している鼻を整える小鼻縮小術とは

鼻整形

鼻翼を縮小する小鼻縮小術

小鼻とは鼻の穴の両側にある膨れている部分で、医学用語では鼻翼と呼ばれる部分です。

小鼻とはこの箇所を指す

小鼻が大きいと印象としてこんな感じになりがちです。

  • 鼻が大きい
  • 鼻の穴が目立つ
  • あぐらをかいたような鼻だ

このような印象になり、悩みをお持ちの方は多いと思います。
この記事では気になる小鼻を小さくして、スッキリとした鼻に修正する小鼻縮小術についてご説明いたします。

小鼻縮小術(鼻翼縮小術)とは?

このように大きい小鼻の一部を切り取って縫って縮めることで、小鼻を小さくする手術です。小鼻の形によって手術の方法は違います。

図1横に広い小鼻

左は小鼻が横に広く、鼻の穴が横に広がった感じです。このような感じで小鼻が大きいという方はよくいらっしゃいます。
右はスマートな鼻で、点線のハの字の角度が左と違うのがおわかりいただけるかと思います。

図2
小鼻の距離が長い鼻

右は小鼻が横に広い状態にプラスして、小鼻の距離が長い鼻です。矢印で示しているのが小鼻の距離で、左のスマートな鼻に比べると小鼻の距離が長いことがわかります。

図1と図2では手術法が異なります。

図1の場合の手術内容を図3にて示します。
このような場合は鼻の穴の中から赤い斜線部分を切り取り、縫い合わせることで鼻の横幅を小さくする方法をとります。
また、縫い合わせただけだとまた固定力が弱く横に広がってしまうので、小鼻の根本の部分に青い点線のように糸を入れて固定します。

図3小鼻縮小術

図4
小鼻縮小術

図2のように小鼻の距離が長い場合の手術内容を図4にて示します。
このような場合は赤い斜線部分のように小鼻を切り取って縫い合わせる必要があります。

毛穴の奥に皮脂を分泌する皮脂腺があるのですが、特に小鼻はこの皮脂腺が発達しています。この皮脂腺を傷つけると、凹凸のある目立つ瘢痕になってしまいます。
できる限り皮脂腺を傷つけないように注意して手術を行うのですが、鼻の外側を切るのでどうしても少しは傷跡が残ってしまいます。
ただし、幸いなことにほとんどの方は図3の鼻の中の切開だけで済みます。

毛穴の大きさは個人差があり、毛穴が大きい方は傷跡が目立つ可能性があります。
傷跡が目立つということで後日修正を希望される場合もあり、その場合は目立たなくなるよう修正の施術を行っています。

余談になりますが、東洋人や黒人はケロイドになりやすいのです。白人はほとんどケロイドにはならないです。
白人で小鼻が大きいという方はほとんどいなくて、小鼻が大きくなりやすいのは東洋人や黒人です。そのような東洋人や黒人の方がケロイドになりやすいというのは皮肉なことです。

切らない小鼻縮小術と称する施術について

他の美容クリニックで「切らない小鼻縮小術」という施術がPRされていますが、これはお勧めできないです。
図3では青い線で糸を入れて引っ張っている状態をあらわしています。
これをご覧いただくとよく分かると思います。小鼻を切り取らないで糸で引っ張るだけだとどうしても余った部分ができてしまうので、唇がきゅっと尖った感じに変形したり、鼻の下にある2本の線である人中が不自然に深くなってしまったりします。

また糸の結び目を皮膚の中に埋め込むために、やはり数ミリ程度は皮膚を切って埋め込む必要があります。
それであれば、通常の小鼻縮小術の手術でも切り取る範囲はごく小さいものなので、普通に切り取って縫い縮めるほうが仕上がりも自然ですのでお勧めなのです。

小鼻縮小術の重要なポイント

デザインが重要

鼻の幅が目頭の間の広さと等しいと美しく仕上がります。
小鼻を切り取って縫い縮めたときに、この広さになるようにする必要があります。

目頭と目頭の間の距離と鼻の幅を測り、その差を何ミリ切り取るというデザインを慎重に行います。
切り取ったあとでまた少し小鼻が大きくなる、後戻りがあるのでその分の伸び率を加味して、少し多めに切り取ります。

小鼻縮小術のデザイン

また形も重要です。
小鼻の組織を取りすぎると小鼻が直線的に突っ張り、小鼻ならではの自然な丸みがなくなり、富士山の裾野のようなくびれのない不自然な小鼻となってしまいます。
正常な鼻

正常な鼻の形

富士山の裾野のようなくびれのない不自然な小鼻

小鼻縮小術の失敗例 小鼻を切り取りすぎて富士山の裾野のようなくびれのない不自然な小鼻となっている

左のように鼻先が丸い方の場合、小鼻だけ小さくすると右のように鼻先の丸さが逆に目立ってしまいます。
この場合は鼻尖縮小術といった施術を組み合わせ鼻先を細くする必要があります。
左のように鼻先が丸い方の場合、小鼻だけ小さくすると右のように鼻先の丸さが逆に目立ってしまいます

縫い合わせる技術が重要

切開した皮膚の断端同士を縫い合わせる際に、それぞれの断端を上に反らせるように少し盛り上げて縫う必要があります。断端が内側に少し巻き込んだ状態で縫ってしまうと、傷跡が溝状に凹み、逆水滴型の鼻の穴となってしまいます。

逆水滴型の鼻の穴

大手チェーンクリニックなどでは、もともと形成外科といった仕上げを美しくすることが求められる診療科以外の出身の医師が多く、この技術がない医師もいるわけです。

少し控えめに切り取る

美容整形の手術には、組織を足す場合と減らす場合があります。
鼻の手術として、鼻を高くする隆鼻術にはプロテーゼといったものを足します。
これに対して、小鼻縮小術の場合は切り取って小さくする手術です。

組織を足す場合は多すぎたら減らしたり削ったりすればいいので問題はありません。これに対して組織を減らす場合は、減らし過ぎたら修正できないことが重大なポイントです。

そのため控えめに切り取ることが大切で、もし切り取りが足りなければ追加して切り取ればいいのです。

このような基本的なことを守っていない美容クリニックがあります。特に大手チェーンのクリニックでは多いです。

鼻の穴が小さくなって呼吸ができなくなるといった機能障害起こっている鼻

切り取りすぎるとこんな鼻の穴になってしまうことがあります。
鼻の穴の形が変になってしまうだけではなく、場合によっては鼻の穴が小さくなって呼吸ができなくなるといった機能障害が起こったりということがあります。

こうなると通常は形成外科で修正してもらうしかありません。しかし、美容外科で失敗した施術に対する修正は保険医療では本来はできません。すべて自費になるのが原則です。

当クリニックにもこのようになってしまった患者さんが、年間2・3人ぐらいいらっしゃいます。

こうなってしまうと、組織移植を行って小鼻を広くするしかないのですが、機能を修正したとしても見た目をきれいにすることはできません。
耳たぶのちょっと上のあたりから皮膚と軟骨を採取して、小鼻のところに差し込むのですが、どうしてもつぎはぎのような感じは残ってしまいます。

よくある質問

Q1.隆鼻術も一緒にできますか?

A1.他のクリニックではプロテーゼを入れて、鼻を高くする施術を同時に行っていることが普通です。
当クリニックは異物を体に入れる医療はやらないというポリシーのため、プロテーゼではなく患者さんの体から採取した組織を入れて鼻を高くする施術は行っています。

Q2.団子鼻も一緒に解消できますか?

A2.鼻先を細くする鼻尖縮小術といった手術を同時に行うこともできます。

Q3.危険性はありますか?

A3.切り取り過ぎたり、デザインを間違えなければ危険はありません。担当医師を選ぶことが重要です。  

Q4.痛みはどれくらいありますか?

A4.鼻は敏感なので麻酔の注射は痛いです。痛みが苦手な方は眠る麻酔、ブロック麻酔といった方法を取ることもできます(別途料金は発生します)。

施術そのものは局所麻酔でもまったく痛くはありませんが、引っ張られたりする感じはあります。

麻酔が切れても、鎮痛剤をを1日3回飲んでいただくことで、痛みはほとんど抑えられるので大丈夫です。
蓄膿症の手術などと比べ物にならないほど楽です。

Q5.所要時間はどれくらいでしょうか?

A5.だいたい30分程度です。鼻先を細くする鼻尖縮小術までやると1時間程度かかります。

Q6.ダウンタイムはどれくらいですか?

A6.鼻の穴の中を切っただけなら翌日でも外出や仕事をしても大丈夫です。テーピングも必要ありませんし、腫れたりもしませんので。
特に近年ではみなさんマスクをしてますので、完全に隠れてしまうのでまったくわかりません。
また、マスクをしていなかったとしてもわざわざ鼻の穴をのぞきこまなければ、手術翌日でも全然見えません。
人前に出ないほうがいいのは本当に手術当日だけです。

鼻先を細くする鼻尖縮小術までやりますとテープによる固定が3日間必要になります。
鼻尖縮小術をやった場合、3日間たってからテープを外したときはまだ元の鼻と同じぐらいの鼻先の太さになっています。
腫れが引いてスッキリするまでは3ヶ月から半年程度かかります。人間の体は生きているものなのでどうしても腫れるので、効果が出るまでに期間がかかります。

Q7.入浴やメイクはいつからできますか?

A7.次の日から大丈夫です。当日もシャワーはOKです。

Q8.術後に気をつけなくてはならないことはありますか?

A8.鼻を引っ張ったり、鼻の中に指を入れたりしないようにお願いします。

Q9.通院回数は何回必要でしょうか?

A9.1週間後に抜糸、術後の経過を診るために1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の定期検診があります。その際に大きな問題がなければ、オンラインでもOKで来院の必要はありません。
近くの方は定期検診に来ることもありますが、オンラインのほうが圧倒的に多いですね。

松下洋二(医師)

鳥取大学医学部卒業後に京都大学医学部形成外科に入局。大学附属病院などで形成外科・美容外科で働いた後、2007年より五本木クリニックの美容診療部の部長に就任。

主に他院での鼻整形の失敗で悩む患者さんからの修正依頼に応えて続け20年以上経ちます。こんな私の強みは、施術後、時間が経つと一体どんな影響を及ぼしていくのか、その未来について予測ができること。医師としてこれまで患者さんと向き合ってきた経験を現場で活かすだけでなく、読者の皆さんにとって少しでも有益な情報になるよう情報発信に努めてまいります。

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