美容整形でヒアルロン酸を入れすぎると鼻や眼の下が壊死したり失明するリスクが❗

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ヒアルロン酸フィラー注入後の皮膚壊死や視覚喪失のリスク

鼻の修正・再建手術を数多く行ってきました。その経験を踏まえ、五本木クリニックでは鼻を高くする「隆鼻術」と呼ばれる美容整形治療は行っておりません。どういうことかといいますとプロテーゼと呼ばれる人工物を鼻に挿入することによって鼻筋を通して、また鼻の高さを出そうという治療はまず間違いなく時間と共にトラブルを招くからです。

特にL型プロテーゼと呼ばれるものを鼻に入れてしまうと、最悪の場合は鼻の先端の皮膚をプロテーゼが突き破って飛び出してきてしまいます。

ヒアルロン酸の鼻への注入は安全か?

プロテーゼの挿入が鼻を高くする美容治療に適さないために、その代替案として鼻へヒアルロン酸を注入しているクリニックもあるようです。

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http://deus1.com/hyaluronic_acid_gel_EN.html

もともと体内にある成分なので安全なはずですが⋯。

ヒアルロン酸は元々人間の体を構成する成分ですから、異物反応を起こすことがなく安全に美容外科・美容皮膚科で使用されていることは知られていることです。しかし、人体と同じ成分で作られているために自然に吸収されてしまうという運命を持ち合わせているのです。

つまり、安全だけと長持ちはしない、ということです。

しかし、美容医療材料を開発するメーカーはヒアルロン酸の効果を長くするために様々な工夫をしています。一般的にヒアルロン酸は半年位で吸収されてきますが、今では2年近くも吸収されない工夫がされたヒアルロン酸も発売されています。ヒアルロン酸の安全性は人体を構成するものと同じことに基づいていますので、吸収されるということは異物として認識されない安全性の証明でもおあるのです。

当然、当院では長期間効果が持続するヒアルロン酸は採用していません。

ヒアルロン酸注入での悲惨な結果

海外の文献・論文・症例報告では日本では考えられないようなヒアルロン酸による悲惨な副作用・失敗が掲載されていました。

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http://woodlandsplasticsurgery.blogspot.jp/

ほうれい線にヒアルロン酸を注入する場合も、気を付けないと鼻の血管を詰まらせてしまいます。経験のある医師には起こりえないことですが⋯。

当院は他院での整形治療の失敗を再建・修正する治療・手術を得意としていますので、積極的に失敗症例を世界中から情報収集しています。

失敗1.ヒアルロン酸の大量注入

アジアの症例です。低い鼻を高くすることを望んだ患者さんの要求に応じるままに、大量のヒアルロン酸を鼻及び鼻筋に注入したことによって鼻の表面の皮膚が腐ってしまったものです。専門用語では「壊死」した皮膚という表現を使用します。

この場合、L型プロテーゼで鼻の先端の皮膚が破けて飛び出すメカニズムと似ています。

大量にヒアルロン酸が表面の皮膚を押し上げ、その力によって皮膚に十分な血流が回らないことによって、鼻の皮膚に十分な栄養・酸素が行き渡らないためにこのような結果になってしまったのです。修復・再建手術としては正常な皮膚の移植しか選択肢はありません。悲惨なことです。

失敗2.経験不足・知識不足が起こしたヒアルロン酸による塞栓

この症例はお隣の国で起きた失敗例です。結局失明まで起こしてしまったようです。鼻と眼の周りにヒアルロン酸を注入したようですが、その周辺は実際はかなり血管が豊富に存在しています。

また、皮膚のすぐ下には目の周りに血液を送りこむ太めの血管が存在します。十分な医学知識を持たない経験の浅い医師によって引き起こされたトラブルと予想されます。

このトラブルは皮膚の壊死だけでなく、失明まで引き起こしていたのです。ヒアルロン酸を目の血管へ不注意にも注入してしまったために、血管がつまってしまって血液の流れを止めてしまったのです。

解剖学的に十分な知識のある医師では考えられないような症例です

日本ではどうだろう

日本でもヒアルロン酸を注入しすぎて過矯正と呼ばれる状態で当院を訪れる患者さんが多く見受けられます。ほとんどのヒアルロン酸は時間と共に自然に吸収されるので経過観察という選択をする場合あります。

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http://www.youtube.com/watch?v=TxvK0xue8ts

経験の豊富な医師のもとで安全に治療することが重要です

どうしてもすぐにヒアルロン酸を無くしてほしいという希望に対しては、ヒアルロン酸を溶かす薬剤を使用する場合もあります。しかし、長期効果をうたったヒアルロン酸の場合、余計な成分が邪魔をして思いどおりに無くすことができない場合もあります。

ヒアルロン酸の利点は自然に近いということ、弱点は利点によって吸収されるということ。この二点を頭に入れておけば多くのリスクは回避できます。それともう一つ

美容皮膚科を受診する際は、事前にそこの医師が経験豊かかどうかは必ず参考にしてください。

桑満おさむ(医師)

1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に五本木クリニックを開院。

医学情報を、難解な医学論文をエビデンスとしつつも誰にでもわかるようにやさしく紹介していきます。

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