確かに、東京大学の畠山先生の文献にそのような記述があります。低分子ヒアルロン酸が発がんを促進するという内容ですが、実験により検証されたものではありません。実証されたのは、乳がんの中でも一部の予後が悪いタイプのものにおいてだけで、ヒアルロン酸を分解する酵素の分泌が高まっており、低分子ヒアルロン酸の割合が多かったという結果でした。乳がん細胞での結果であり、ヒアルロン酸を注入した際の正常細胞の変化を見たものではありません。
また、ヒアルロン酸の大手メーカーであるアラガン社のデータによると、同社のヒアルロン酸製品が原因でがんが発生したという報告は世界的に見ても今のところ1例もありません。
顔
妊娠中や授乳中にヒアルロン酸注入は可能ですか?
妊婦さんや出産直後の方、授乳中の方へヒアルロン酸を注入することに対して、安全性や有効性を証明するデータがないため、注入はおすすめできません。
ヒアルロン酸注入したら今使っているメイク、スキンケアグッズが合わなくなりますか?…
その心配はありません。むしろ、ヒアルロン酸を注入することで肌にハリや潤いが生まれ、お化粧ののりも良くなります。
ヒアルロン酸入れたことが周囲の人にバレないか心配です。
ヒアルロン酸注射はメスで切る手術と違い、術後に大きく腫れたり、傷跡が残ったりすることはありません。適切な注入量を守って入れれば、自然な仕上がりで、周囲の人に気づかれることはありません。
ヒアルロン酸がレントゲンなどの検査で写ることはありますか?
ヒアルロン酸は、顔に少量入れた場合にはレントゲンに写ることはまずありません。ただし、輪郭形成や豊胸を目的にあごや胸などに多量に注入した場合には、条件によりレントゲンに写ることがあります。
超音波エコー検査でも同様に、ヒアルロン酸の注入量が多い場合は写る可能性が高いです。
CTやMRIのようなより精度の高い検査では、ヒアルロン酸が写る可能性が高いです。病気やけがでこのような検査をすることになった時に、検査部位の近くにヒアルロン酸を注射している場合には、診断の妨げにならないよう、検査前に正直に申告するのがよいでしょう。
ヒアルロン酸注入治療を受けるためにはどこへ行けばいいですか?
日本で製造販売承認を取得したヒアルロン酸注入材による施術は、規定の講習セミナーを受講した医師のいる医療機関でのみ受けることができます。重大な合併症などのトラブルを避けるためにも、十分な知識と技術を習得した医師による治療を受けることが不可欠です。
美容目的のヒアルロン酸注入の場合、通院・入院は必要ですか?
ヒアルロン酸注入は外来で手軽にできる治療なので、入院の必要はありません。注入後、2〜4週間ほど経過してから再度診察に来ていただき、経過観察を行います。追加注入が必要な場合は、その際に再注入し微調整を行います。
また、ヒアルロン酸注射の合併症で一番怖いのが血管が詰まってしまうことです。血管が詰まると、皮膚が白くなったり赤くなったり腫れたりなどの異常な症状が出ます。適切な処置を行うために通院が必要になることがごくまれにあります。少しでも異変を感じたらすぐにご連絡ください。夜中でもかまいません。
1度ヒアルロン酸注射を始めたら、その後ずっと注入し続けなければならないのですか?…
注入したヒアルロン酸は徐々に吸収され、半年〜2年ほどで効果がなくなり、元に戻ってしまいます。そのため、効果を持続させるためには注入を繰り返す必要があります。ヒアルロン酸は完全に分解されて体内から消えていくものなので、繰り返し注射しても害はありません。1度でもヒアルロン酸の良さを体験されると、リピーターとなって年に1〜2度のペースで継続的に注入されている方が多いですが、もちろん1度きりの注入で中止することも可能です。
1度ヒアルロン酸を入れたら、なくなった時に余計にたるんだりしませんか?
ヒアルロン酸は急激に吸収されてしまうということがないので、そういった心配はありません。ただ、注入から数年以上経過し、注入したヒアルロン酸が完全に吸収された後に何も治療を行わなかった場合、ご自身の肌の老化でたるみが徐々に進行することはあります。ヒアルロン酸注入が原因で余計にたるむことはありませんのでご安心ください。
ヒアルロン酸注入後の効果はどれぐらい持続しますか?
使用するヒアルロン酸の種類や部位にもよりますが、おおむね6カ月〜12カ月程度の効果を実感されている方が多いようです。
ヒアルロン酸はたくさん種類あるようですが、どれを選べばいいのでしょうか?
ヒアルロン酸の種類はその粒子の大きさと粘り、固さなどでいくつかの種類に分類されます。実際に注入する部位によって、必要な粒子の大きさや強さ、固さなどが異なってきます。カウンセリングで丁寧に説明します。相談の上でどのヒアルロン酸にするかを決定いたします。
ヒアルロン酸注入にはリスクはありますか?
ヒアルロン酸注入におけるリスクは、注射針を刺したときの痛みと、針を挿入した部分に内出血(医学用語だと皮下出血)が起こる可能性です。しかし、注射の痛みは麻酔を用いることで極力和らげることができますし、内出血の場合も約10日前後で治まりますので、リスクは極めて低いものといえます。ご安心ください。
ヒアルロン酸について教えてください。
ヒアルロン酸はヒトの細胞と細胞の間に誰でも存在している物質であり、クッション的な働きをしています。ヒアルロン酸が豊富だと、皮膚は水分を多く保持するために水々しく潤った弾力性のあるいわゆる美しい肌であることが可能となります。