日本人にはメラニン色素が多いため、日本人の肌に合わせ、メラニン色素を持った細胞だけに反応するという特性を生かして、効果的な治療を行える治療法です。
以前からQスイッチルビーレーザーを導入していましたが、基本対象が白人向けのもので、どうしてもメラニン色素の多い日本人の肌には満足いくものではありませんでした。そこで導入したのが、日本人の肌に合うHOYAのYAGレーザー「MedLite(メドライト)C3」、更なる改良型として米国Cynosure社の「RevLite(レブライト)」、現在ではLUTRONIC社のハリウッドスペクトラに搭載されているQスイッチを使用しています。
色素だけを標的に治療
メラニン色素を持つ細胞だけに反応するというレーザーの性質を生かした治療法です。例えばタトゥーでしたら色素があるタトゥー部分だけに反応し、余分な皮膚に傷をつけません。
- 周囲の組織を傷つけることなく、色素だけを消します。
- 傷痕を残す心配はほとんどありません。
- 痛みもほとんどなく、治療は短時間で終了します(痛みの感覚は個人差があります)。
- シミ・ソバカス、あざ、タトゥー(刺青)、アートメイクの除去など幅広い治療に用います。
- 色素の除去と同時に素肌にハリ、ツヤを与えます。
あざ(色素異常)を消したい方へ
皮膚に現れる変色が「あざ」です。皮膚の色素細胞が異常に増えたり、内出血したりすることなどによって生じます。
色素異常が原因の母斑は治療が必要
外傷でできた紫斑といわれる後天性のあざは放っておいても消える場合もありますが、母斑といわれる先天性のものは色素異常が原因であるため、放置しても治らず治療が必要となります。
「あざ」は異常メラニン系、異常血管系、隆起性に分類されます。
あざは、異常メラニン系、異常血管系、隆起性などに分類されます。メラニン系では、太田母斑、扁平母斑、母斑細胞母斑、白班があります。異常血管系は、単純性血管腫、イチゴ状血管腫、海綿状血管腫などです。隆起性には、疣状母斑、表皮母斑があります。あざの種類を診断し、適切な治療を選択します。
ハリウッドスペクトラのQスイッチ
ハリウッドスペクトラは、1064nmと532nmというふたつの異なった波長のレーザー光線を照射する機器です。光の波長は長くなるほど皮膚の奥に作用します。2つの波長を使い分けることで、皮膚の浅い部分と深い部分のどちらにも使用することができるのが特徴です。
❶532nm/ショートパルス/出力強め
老人性色素斑、ソバカスの治療などに用います。大きく濃い老人性色素斑のある方は、その部分のみピンポイントで532nmのレーザーを強めに当てて取ります。この治療をするとかさぶたができ、その後2週間ぐらいたつとかさぶたが自然に取れます。かさぶたが取れればシミが取れているという状態になります。大きく濃い老人性色素斑はこれ以外の方法では取れません。
❷1064nm/ショートパルス/出力強め
シミの一種であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス) 、アザ、タトゥー(刺青)の治療などに用います。
色素が皮膚の深い部分にまで及んでいるADMの場合は1064nm波長のレーザーを強めに当てて取りますが、1回では取れず、3ヶ月おきに4、5回の照射が必要になります。ADMはこれ以外の方法では取れません。